大人のダンス
 長閑な春の日の夕方、ユクレー屋にも暖かい空気が流れている。俺はカウンターで泡盛の水割りをちびりちびりやっている。ウフオバーとマナは台所で、料理をしている。
 料理が一通り終わったようで、マナがカウンターにやってきた。
 「はい、今日のおつまみ。」と言って、一皿出した。
 「おっ、旨そうじゃないか、何だこれ。」
 「タマン(ハマフエフキ)のガーリックソテーよ。」
 「ほう、タマンか。刺身で食っても火を通しても美味い魚だよな。」→写真(タマンのガーリックソテー)
 「今朝、ジラースーが持ってきてくれたんだよ。」
 「なんだ、ジラースーが来てたのか。そうか、お前ら一応、会っているんだ。」
 「うん、週末には島に来てくれるからね。」
 「そうか。・・・ところでよ、60過ぎのオヤジと40手前のオバサンのデートってのは、いったいどんななんだ。大人のダンスをしているだけか?」
 「ん?何よ、大人のダンスって、・・・あっ、このバカ!」と言って、マナは手元にあった布巾を俺の顔めがけて投げつけやがった。怒るところを見ると・・・。
   −−−ある日のユクレー屋の情景−−−
語り:ケダマン 2008.3.28  次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島
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