名前を変えて気分を変えて
 今日は、『ジラースーとマナの関係を島の人々が認め、祝福する会』という、何とも長ったらしい名前のパーティーがある。『青田治朗、マナ結婚披露宴』にすれば、簡潔であろうと俺も皆も思ったのだが、「パーティーなんて」と、パーティーそのものを嫌がっている照れ屋のジラースーに譲歩して、そういうこととなった。
 ジラースーはまた、結婚そのものにも積極的ではなかった。「形なんて」ということであった。マナもまた、「別に籍はどうでも」という気分であった。ジラースーは1回の結婚経験がある。妻とは死別している。マナは3回の結婚歴があり、2回の離婚と1回の死別を経験している。そういったことから、二人とも「今さら、形はどうでも」ということなのであろう。しかし、「ちゃんとした方がいいぜ。」と俺が勧めたのである。
 ウフオバーも俺の意見に賛成したこともあって、二人は勧めに応じた。ジラースーとマナは昨日、ジラースーの地元の役場に出かけ、入籍を済ませた。そして、晴れて、青田マナとなったのである。まあ、オバサンという歳なんだが、名前は瑞々しい。
 「私、これで4回目の結婚だけどさ、今度のが一番、とっても幸せに感じる。名前が変わってさ、今までの不幸もすっかり消し飛んでしまったさあ。」とマナは言った。
   −−−ジラースーとマナのパーティーが行われる日の情景−−−
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