冷やかされるジラースー
 先週日曜日の午前中、マナの後をつけて、マナとジラースーが密かに会っていることを知る。二人が船の中で何をしているかまでは確認しなかった。それは野暮というものである。俺も長年生きているので、その辺りのことは承知している。
 だが、二人が秘密の時間を持っているということを秘密にしておくほど、俺の心は粋にはできていない。早速、ゑんちゅ小僧に話した。
 「そうか、見たの。」とゑんちゅが言う。
 「見たのかって、なんだ、お前知ってたのか?」
 「うん、2ヶ月前くらいかな。12月の初め頃に俺も見たよ。」
 「えっ、そんな前からだったのか。何で俺に話さないんだ!」
 「いや、その時はそういう関係で会っているとは思わなかったんだ。二人から話を聞いたわけでもないし、実際どうなのか、今でも不確かなんだ。まあ、とりあえず、それが良い話だったとしても、もう少し秘密にしておこうよ。」とゑんちゅは分別臭い。
 だが、秘密の時間を持っている二人、特に男の方のジラースーに会って、それをからかいたくなる衝動を抑えるほど、俺の心は上品にはできていないのだ。
   −−−ある日のゑんちゅ小僧との会話−−−
語り:ケダマン 2008.2.22  次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島
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