多面化面 　「モク魔王の悪企みをガジ丸が阻止するってさ、ガジ丸が人類の味方なら、モク魔王は悪者なの？」 　「いや、人類から見ればそうだが、地球から見れば、あるいは宇宙から見ればモク魔王が正義の味方で、ガジ丸が悪者ということになるぜ。」 　「人類の味方のガジ丸が悪者ということは、地球にとっては人類が悪ということ？」 　「うーん、それも正確じゃないが、まあ、何ていうかな、善とか悪とかっていうのは時間と空間で変わるからな。善でもあり悪でもあるってことかな。」 　「良い人もいれば、悪い人もいるってこと？」 　「そういうこともあるか知らないが、それよりは、良い時もあれば、悪い時もあるって言った方が近いな。人間一人一人だってそうだろ？みんないくつもの顔を持っているんだな。そして、実は、いくつもあるその顔のどれもがみな仮面なんだな。」 　「仮面ってことは、本当の顔じゃないってこと？」 　「いや、一時的な物って意味だ。・・・俺はでも、一遍にいくつもの面を出せるぜ。多面化面だ。」 　　　−−−ある日のユーナとの会話−−−

語り：ケダマン　2006.11.24　次のケダマン　前のケダマン　最初のケダマン　ユクレー島