モディリアニる一人と一匹
 モク魔王がユクレー屋にやってきて、女房への愚痴をこぼしていた夜、一緒にいたゑんちゅ小僧も含めて我々は遅くまで飲んでいた。遅い時間からはウフオバーが相手をしてくれて、我々の話をユーナは途中までしか聞いていなかった。
 「モク魔王がここを出て行くかもしれないってのは聞いたか?」
 「ううん、聞いていない。ホント?」
 「まだ決まったわけじゃないが、ハルがそうしたいって言ってるそうだ。」
 「ハルさんって、そういえばこの間久しぶりに見たよ。前よりずいぶん痩せていて、っていうか、背も高くなっているみたいで、何だかファッションモデルみたいでカッコ良かったよ。私もあんなスタイルになれたらいいなあ。」
 「あんなスタイルって、頭と足を掴まえて上下に引き伸ばしたような形じゃないか。なんでも、ハルの好きなモディリアーニという画家の影響らしいぜ。」
 「ハルさんもマジムンだから、なりたい形になれるんだ。いいなあ。ねぇ、私もあんなスタイルになって、モデル気分味わいたい。妄想して。」
 「しょうが無ぇなあ。じゃあ、まあ、俺もついでにモディリアニるか。」
   −−−ある日のユーナとの会話−−−
語り:ケダマン 2006.11.17 次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島
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