カナブン捕物帳
 「この間の『妖怪VS三匹の侍』でさ、結局、三匹の侍は役に立たなくて、村が消滅したって言ってたけどさ。よく、『悪は最後に滅びる』とか言うじゃない。そこではそんなことないの?」
 「悪は最後に滅びるなんて、どこの世界にも無ぇぜ。悪が何なのかってこともあるけどな、例えば妖怪ウタマサタマみたいにだな、人間の不幸が大好きというモノを悪としたとしてもだ、最後っていったいいつなんだ?ってことになる。宇宙が消え去るのが最後だとしたら、それはもう人類も滅びるってことだから、最後に悪は勝ったってことになるぜ。」
 「あー、そうか。そうなるね。ところでさ、あの三匹、その後どうなったの?何だか気になるんだけど。その世界ってさ、こっちの世界よりもずっとグチャグチャしてるの?」
 「三匹のことは知らないが、グチャグチャ具合はこっちと変わらないな。そこも戦乱の世が終わって、いちおうは平和になったな。平和でもお前のイメージする悪は存在しているから、それを取り締まるためのいわば警察機構のようなものができたな。同心とか岡っ引きとかいう奴だ。その後しばらくは、彼らの活躍が見られることになる。」
   −−−ある日のユーナとの会話−−−
語り:ケダマン 2006.11.10 次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島
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