雨記念日
 5月の爽やかな気候が続いている。そんな週末の夕方、いつものユクレー屋。
 「オキナワは梅雨入りしたそうだが、どうだ、毎日鬱陶しいか?」
 「梅雨入りしたって、つい昨日のことだよ。今年はずいぶん遅れたんだってさ。まあ、そのお陰で、5月も晴れた日が多くてさ、洗濯物も日向の匂いだったさあ。」
 「ほう、洗濯か。ちゃんと主婦やってんだ。ジラースーのパンツも洗ってるのか?」
 「当たり前でしょ。アンタと違ってジラースーは臭くないのさ。・・・そういえばアンタ、雨に打たれてその毛を洗うって言ってたでしょ?で、長いこと雨に打たれていないって言ってたでしょ?どのくらい長いことその毛を洗ってないの?」
 「前に洗ったのは一昨年の暮かなあ。洗濯機に入って洗おうとしたら洗濯機が壊れちまいやがった。それ以来洗ってないなあ。」
 「うっ、汚な!・・・そうだ、ちょっとアンタ、留守番してて。」とマナは言い、出かけた。しばらくして戻ってくると、突然、雨が降り出した。
 「博士に頼んで、この辺り一帯に雨を降らしてもらったよ。毎月の月末はこうやって大雨が降るよ。雨記念日ということだね。ケダマン洗濯記念日でもいいね。」
   −−−ある日のユクレー屋の情景−−−
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