ネギ
 宜野湾の畑には芋が常時栽培されているが、アパートの小さな畑にも常時栽培されている作物がある。ニラとネギ、ニラは収穫できない時期が少しあるが、ネギは年中植付け時で、年中収穫できる。味噌汁、うどん、そばなどの汁もの以外でも、納豆や冷奴、チャーハン、肉や魚料理のツマとしても利用でき、あって困るということは無い。
 ということで、ネギは概ね自産自消ができている。ただし、この時期(冬)、鍋料理に欠かせない長ネギだけは常に購入している。長ネギを私は栽培したことが無い。
 友人の脱サラ農夫Tに訊いても、「沖縄産長ネギは見たこと無いなぁ」と言っていた。沖縄の土は固い。イモやニンジンのように作物自体が沖縄の土の固さに負けないような固さを持っていれば別だが、長ネギのように柔らかい茎が地中に深く潜るタイプのものは向かないのかもしれない。でも、いつかは挑戦してみたい。美味しいもんな鍋のネギ。

 ネギ(葱):葉野菜 →記事(ワケギ)
 ユリ科の多年草 中央アジア原産 方言名:ビラ
 名前の由来については資料が無く不明。
 広辞苑に、「根深葱と・・・葉葱に分ける・・・云々」とあった。それぞれそいうふうに名付けて区別するということは初めて知ったが、それぞれそういうふうに食するということは子供の頃から知っていた。根深葱は概ね太く、長ネギとか白ネギとかいうもので、「葉鞘の白色部を食用とする」(広辞苑)種類で、葉葱は概ね細く、万能ネギとかワケギ(分葱)、アサツキ(浅葱)とかの「緑色部を主として用いる」(〃)もの。
 「前者は主に関東、後者は関西で栽培」(〃)とあるが、これに関しては沖縄も関西文化圏のようで、私が子供の頃から親しんでいるのは葉葱の方。沖縄ソバにも味噌汁にも葉葱を使っていた。長ネギはスキ焼とか鍋料理の際にたまに出てきた。
 私の畑にもほぼ常時、ネギが植えられているが、それらは全て二十日ネギとかワケギといった葉葱。長ネギは植えたことが無い。そもそも農協に行っても長ネギの苗とか球根とかは置いていない。少なくとも私は見たことが無い。おそらく、沖縄の堅い土では長ネギが長ネギらしく育たないのだと思われる。土作りに手間をかけた畑なら別だが。
 記:島乃ガジ丸 2010.12.17  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
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