ノゲイトウ
 「八重山スケッチの旅」では植物、動物、景色の写真を多く撮った。その写真の、動物植物は帰ってから何であるかを調べる。上手く撮れた写真の植物40種、動物25種のうち植物30種、動物23種が概ね判明した。「概ね」というのは、確たる自信は無いが、たぶんそうであろうと思うものも判明写真に含んでいるからである。
 ノゲイトウもその一つ。撮った写真と文献の写真とを見比べると、花の形や色が若干違う。葉の色も違う。しかしながら、竹富島の野原にあって、整理された植え方では無いので栽培品では無かろう判断し、ノゲイトウであると断定した。
 じつは今日(12月18日)、家から4番目に近いスーパーへ買い物に行った際、そこの庭にノゲイトウがあった。それは、文献に載っているノゲイトウとそっくりだったので迷うことは無かった。竹富島で撮ったものはおそらく、花の成長が十分で無かったか、カメラの色彩調整の不具合があったかもしれないと、根拠も無く勝手に推理する。

 ノゲイトウ(野鶏頭):野草
 ヒユ科の一年生草本 熱帯アメリカ原産 方言名:ウマザク
 花壇の草花として用いられるケイトウと同属で、畑や野原に自生しているので、野生のケイトウという意味からノゲイトウという名。ケイトウは花の形が鶏のトサカに似ているからであるが、ケイトウの花の形にはトサカ系の他に、フサ系、玉槍系がある。玉槍系の写真が無いので確かなことは言えないが、ノゲイトウは玉槍系だと思われる。
 長い花茎の先端に小さな花を穂状につける。花色は白色から淡紅色。文献に載っている写真と、竹富島で撮った写真を見比べると、竹富島のものは花穂が長く、色も紅紫色をしているので、もしかしたら園芸種のケイトウが野生化したものかもしれない。
 高さは1mほどにまでなる。開花期についての記載は無いが、『沖縄植物野外活用図鑑』の写真は6月、竹富島の写真は11月、首里の写真は12月のもの。

 花(竹富)

 花(那覇)

 ケイトウ(鶏頭):花壇
 ヒユ科の一年生草本 熱帯アジア原産 方言名:なし
 古い時代に渡来し、園芸品種が多い。花の形にはトサカ状、羽毛(フサ)状、玉槍状などがある。夏から秋に開花し、黄、橙、紅、赤、紫などの色がある。
 記:島乃ガジ丸 2005.12.18  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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