ハマニガナ
 私の勤める会社は建設関係である。沖縄の建設関係は長く不況にあるが、私の会社は昨年度(2007年度)とても忙しかった。3月に入って、公共工事の先も見えてきて、やっと余裕ができた。急ぎの仕事があまり無くて、会社の将来のための仕事が多くなる。会社の将来のための仕事は全然急ぎでない。鼻毛抜きながらやっていた。
 仕事は少々暇となったが、プライベートでは、去年から引き続き、ずっと忙しい。なので、映画にもコンサート(ライブ含む)にも長く行っていない。映画は11月、コンサート(ライブ含む)は9月以来無し。季節の花の写真も撮りに行くこともできなかった。
 しかし、新たな写真は無くてもちっとも困らない。既に撮っているが、まだ発表していない写真が多くあるからだ。写真の植物が何ものか判明していてるのも多いが、何ものか不明の写真はもっと多くある。写真を撮りに行くより、何ものかを調べたり、判明したものの記事を書くことの方により多くの時間を必要とする。ので、いつも忙しい。

 去年9月に水納島へ行った際、植物の写真をいくつか撮っていた。その一つに、砂浜からニョキっと顔を出している黄色い花があった。面白い咲き方なので何ものかすぐに判明するかと思っていたが、判ったのは今年の2月になってから。それはつまり、去年の9月からこれまで、植物図鑑を開くことがあまり無かったという証拠。
 砂浜からニョキっと顔を出している黄色い花はハマニガナであった。ハマニガナはまあまあ有名なようで、参考にしている文献のうち、5種に紹介されており、広辞苑にもその記載があった。そんな有名な植物でも判るのに5ヶ月かかる。先が思いやられる。

 ハマニガナ(浜苦菜):野草
 キク科の多年草 沖縄の各島に分布 方言名:不詳
 ニガナもハマニガナも広辞苑にある。ニガナは苦菜と書き、その名の通り「茎・葉ともに白汁を有し、苦味が多い」とのこと。ハマニガナは「海浜の砂地に自生。・・・ニガナに似た花を開く。」ことから浜苦菜と、こちらも文字通り。
 海岸の砂浜に自生し、根茎が砂の中を這って広がる。茎もまた砂中を這って、50〜100センチの長さまで伸びる。葉は茎のところどころに付き、砂上の地際に集まる。
 長さ10センチ程度の花茎を伸ばして、その先に鮮黄色の花を上向きに付ける。開花期は、広辞苑に夏とあったが、文献の写真は5月、私の写真は9月のもの。

 花
 記:島乃ガジ丸 2008.3.16  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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