ハハコグサ
 HPで沖縄の植物を紹介するようになってからもう8年が過ぎた。8年経ってもまだその道のプロにはほど遠い。紹介した植物は770種を超えるが、自分で写真を撮り、自分で何者かを調べ、自分で紹介文を書いているのに、その内の三分の一も覚えているかどうかだ、「覚えてやろう」という意志が不足しているのだ、素人なのだ。

 この8年間、撮った写真の植物が何者かを調べるために沖縄の植物図鑑を頻繁に見るようになった。記憶力の弱くなった私の脳味噌だが、それでも頻繁に見ていると、まだ実物には出会っていないが記憶に残る植物も稀にはある。ハハコグサもそんな一つ。
 図鑑の写真の姿も他に似ているものの無い特徴的な姿だが、名前が特に印象的。ハハコグサは母子草と漢字で書く。母と子の草、母子家庭、母子心中などといろいろ想像してしまうが、残念ながら、名前の由来は資料が無く不明であった。

 結婚には縁の無い私であるが、もしも私に女房子供の生活の面倒をみれる位のお金の余裕があれば、子(男子でも女子でも可)持ち亭主無し(離婚でも死に別れでも)の女性となら結婚してもいいなぁと思っている。ハハコグサとは何の関係も無い話だが。

 ハハコグサ(母子草):野草・食用
 キク科の越年草 日本、中国、東南アジア、インドなどに分布 方言名:不詳
 広辞苑に春の七草の一つ「ごぎょう」のこととあった。「ごぎょう」は御形と書き「ハハコグサの異称」(広辞苑)とある。ハハコグサもゴギョウもその名の由来については説明が無い。ただ、別名ホウコグサとある。『植物名の由来』にはホウコグサは漢名の蓬高からとある。ホウコグサが訛ってハハコグサになったのかもしれない。
 秋の七草は食えないが春の七草は食える。春の七草の一つである本種も食える。若い茎葉が食用となり、七草粥の材となる。ちなみに、沖縄に七草粥の風習は無い。
 日当たりのよい畑地や路傍に生える。基部から多数分枝して横にも広がるが、中央の茎は直立し、高さ20〜40センチほどになる。
 草全体に綿毛が密生していて、茎や葉は灰色がかって見える。頭花は茎の先に散房状となって多数つく。花色は黄色。開花期、倭国では4〜6月のようだが、沖縄では2月から咲いており、私は3月に見ている。だいたい2〜4月頃としておく。

 花
 記:島乃ガジ丸 2012.9.21  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
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