リュウキュウボタンヅル
 家の中でパソコン作業をする場合は食卓兼事務机を使っている。そこは西向きの大きな掃出し窓の傍にあって、だいたい午後の3時を過ぎると作業ができなくなる。その頃になると太陽の光が差し込んできて、この時期は無茶苦茶暑くなるからだ。
 今はまだ午後1時を過ぎたところなので、また、涼しいとは言え無いが、風も少しは吹き込んできているので、うっすら汗を滲ませながらも何とか脳みそは働いてくれる。
 窓の外は光が眩しい。夏の空。去年の夏、ガラス製の江戸風鈴を割ってしまったことを思い出す。今年は風鈴の無い夏となってしまっている。風流人を目指すオジサンとしてはこれではいけない。風鈴を買いに行かなくちゃ、と今、決心した。

 目線を下にやると、駐車場のフェンスに絡まったオオバナアリアケカズラの鮮黄色の花がいくつも咲いているのが見える。その傍にはリュウキュウボタンヅルも見える。オオバナアリアケカズラは大家さんが数年前に植えたもの。リュウキュウボタンヅルは自然に生えた雑草。この雑草、先週、花が満開だったので写真を撮った。雑草扱いされているが、花はきれいだと私は思う。「ガジ丸の草木」では、わざわざ人の手によって植えられることの無い、勝手に生えてきたものを雑草としているが、この蔓植物もそうであり、リュウキュウコスミレ同様、花はきれいであっても、申し訳ないが、雑草ということにした。

 リュウキュウボタンヅル(琉球牡丹蔓):野草
 キンポウゲ科の蔓性多年草 方言名:ブクブクーグサ
 原産分布が、私が参考にしているどの文献にも記載が無かった。ボタンヅルは全国にあるようだが、琉球と名が付くので、沖縄、あるいは南西諸島特有のものかもしれない。
 葉が牡丹に似ている蔓なのでボタンヅルという名。葉柄によって他物にからみつきながら蔓を伸ばしていく。花は黄白色で伸びた蔓先にまとまって多く咲く。方言名は、花の咲く様が泡のようにブクブク見えるところから来ているのかもしれない。私はきれいだと思う花だが、雑草扱いとなっている。開花期は6月から7月。

 実
 記:島乃ガジ丸 2005.7.10  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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