シカクマメ
 職場の近くのスーパーには、首里農業協同組合の組合員である生産者から、その名前入りで野菜を販売しているコーナーがある。名前入りだからといって無農薬の安全野菜というわけでは無いが、近所の住人が作ったんだという安心感はある。なので、そのスーパーで野菜を買うときは概ねそのコーナーから私は選んでいる。
    
 近くの生産者から仕入れているので、言うまでも無く全て地物ということになる。季節季節の野菜がそこにはあって、冬から春にかけてはキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ホウレンソウ、シュンギク、トマトなどが並んでいる。
 そのコーナーには、そういった全国的に普通である野菜に混じって、沖縄独特の野菜も多くある。有名なゴーヤー、ナーベーラー(ヘチマ)の他、フーチバー(ヨモギ)、パパイア、ハンダマ(スイゼンジナ)、ンジャナ(ホソバワダン)、黄色いシマニンジン、今が旬のシマラッキョウなどなど。

 沖縄独特なのかどうか不明だが、他所ではあまり見かけない野菜がある。その野菜、名前をシカクマメと言う。その独特の形から気になる野菜であったが、20センチ以上もある大きなものが5、6本で1パックとなっていて、1人で食うには多い。「天ぷらにすると美味いかもな」と思うが、「不味かったら勿体無いな」とも思い、なかなか手が伸びないでいる。1本だけを分けて売ってくれないだろうかと望むのであるが・・・。

 シカクマメ(四角豆):野菜・豆
 マメ科の蔓性多年生草本 熱帯アジアに分布する 方言名:なし
 莢に4枚の翼を持っていて、断面が4角形に見えることからシカクマメという名。
 分布する熱帯地方では多年生だが、温帯の日本では一年生草本となる。亜熱帯の沖縄では多年生なのであるが、栽培上は一年生として扱われるとのこと。
 蔓性で、ものに絡み付いて伸び、分枝が多く、大きく広がる。淡青色、または桃色の花は総状につき、形はマメ科植物に多い蝶型。秋から冬にかけて咲く。
 夏に種を蒔き、秋から早春にかけて収穫できる。莢の長さは15〜30センチ。中に8〜17個の球形の種子を持つ。種子は蛋白質と脂肪を多く含む。
 若い莢、新芽、若葉、花は野菜として、熟した種は豆として、澱粉を含む塊根は生食でき、煮物などにも利用される。また、飼料や緑肥にも利用される価値の高い作物。

 花

 実
 記:島乃ガジ丸 2006.4.2  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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