ニラ
 今では、全ての野菜を愛しているオジサンは、子供の頃もそう好き嫌いは無かった。大きく切られたニンジン、カボチャ、セロリなどはあまり好きでは無かったが、ピーマンやホウレンソウなどは平気で、キャベツ、レタスなどと同じくらいにニラは好きだった。
 ニラは我が家のヒラヤーチーに欠かせなくて、他に、豚レバーの煎じ汁、ニラ玉、ニラレバも好きで、ニラの入った野菜天ぷらは大好きだった。
 子供の頃からニラをよく食べていたので、オジサンになった今でも“ニラは臭う”という感覚があまり理解できない。高校の頃、初めて納豆を食った時のあの臭さに比べれば、ニラなんて何の臭いも無い。大学の頃、初めてクサヤを食った時のあの臭さに比べれば、ニラなんていい匂いと言ってもいいくらいだ。子供の頃から食っていたので、同じく大学の頃、「ニラはオヤジの食い物」という友人たちの話もピンとこなかった。
 風邪のひき始めに“豚レバーの煎じ汁”を作って飲む。風邪を防ぐ効果を十分発揮してくれる。イカの墨汁にもたっぷりのニラを入れる。ヒラヤーチーにも当然入れる。それらに用いるニラをスーパーで買うことは滅多に無い。アパートの畑にはいつも(夏場の3ヶ月ばかりを除いて)ニラがいっぱいある。ニラはまったく手間のかからない作物で、肥料などあげたことも無い。水遣りも年に数回あるかないか。たまに周りの雑草を除いてやるだけ。それでもちゃんと成長し、毎年少しずつ増えてもいる。天地に感謝している

 ニラ(韮):野菜
 ユリ科の多年生草本。原産は中国西部。方言名:チリビラ
 涼しい気温を好み、強い直射日光を嫌うため、沖縄の夏の間は遮光する必要があると本に書かれてある。なるほど、で、私の畑のニラたちも夏の間元気が無かったわけだ。10月から収穫できるようになっており、今も、「早く食べて」とたくさんのニラたちが待っている。収穫した後からまた葉を出してくれるので、重宝する野菜である。
 方言名でチリビラと言うが、青ネギ(万能ネギ、ワケギ等)のことはビラと言う。子供の頃、「ビラ買ってきて」と使いを頼まれると、いつも私はニラを買ってきて怒られていた。発音が似ているので、方言のビラのことを標準語のニラと混同したのだ。その混同は脳の中に深く刷り込まれたみたいで、いくら正されても、何度も何度も間違えていた。

 花
 記:島乃ガジ丸 2005.1.9  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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