ホウレンソウ
 アパートの畑は1坪半(3畳)ほどずつ5区画に分けられていて、その内の3区画、4坪半を私が管理している。このところずっと忙しくて、その4坪半には今、ニラ、シソ、オクラ(もうそろそろ終わり)の3種しか収穫できるものは無い。シマラッキョウを植える時期なんだが、まだ、その準備(耕して、除草して)もできていない。
 5区画の内の残った1区画は管理する者がいなくて、手付かずで雑草だらけだが、もう1区画は1階に住んでいるKさんが管理している。3人の子持ちでバツイチのKさんは、仕事に子育てに大変忙しいと想像されるのだが、彼女が管理する1区画はたいてい、私の管理している箇所よりきれいで、いつも何やら植えられている。
 今年の春、彼女のきれいな畑に私がこれまで植えたことの無い野菜が育っていた。それはホウレンソウ。たとえばゴーヤーなら、1株の苗を60円で買って、それが育てば、1株から7、8本は少なくとも収穫できる。1本150円として1000円余りの収益である。オクラも同じくらいあり、シソに至っては2000円分くらいの収益がある。ところが、葉野菜は1株からの収益が少ない。スーパーで買った方がはるかにまし、といったものが多い。そういったわけで、私はこれまでホウレンソウを植えたことが無かった。

 ホウレンソウは、野菜の中でも好きな上位にある。バター炒め、ニンニク炒めなど好きだし、お浸しでも味噌汁の具としてもよく食べる。特に、鍋物に入れて、ポン酢をかけてガシガシ食うのは大好きである。そんなホウレンソウなので、自分の畑で無農薬で育てたものを、新鮮な内に食えると嬉しいのだが、1株60円が、育って60円分になるかどうかと考えると、なかなか植える気にはなれない。
 聞けば、ホウレンソウなどの葉野菜は、家庭菜園の場合でも普通は種を蒔くことが多いそうである。種は1袋100円くらいである。1袋に種は無数に入っているので、上手く育てば100円が何千円分の収益になるとのことである。

 ホウレンソウ(菠薐草):葉菜
 アカザ科の一年草、または二年草 中央アジア原産 方言名:フーリンナ
 漢字は法蓮草の方が見慣れているが、広辞苑に菠薐草とあった。菠薐はネパールの地名とのことである。そこから中国にやってきて、その名がついたのであろう。
 日本へは300年前に中国から導入され、以降いろんな品種が中国から(東洋種)、また、ヨーロッパから(西洋種)入ってきたとのこと。
 品種が多く、春蒔きから晩秋蒔きまであるが、夏の高温では成育が悪い。沖縄では主に冬から春にかけての葉野菜となっている。
 オジサンオバサン年代にはポパイのホウレンソウで馴染み深い。野菜嫌いの多い子供たちでもホウレンソウは食べたと思う。私は大好きだった。ポパイのお陰である。

 花
 記:島乃ガジ丸 2006.10.6  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
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