アズキ(シマアズキ)
 元気に畑仕事をやっている頃、豆の類はよく植えていた。酒好きの私なのでもちろん、植える豆は酒の肴になりやすいものが優先となる。先ずはエダマメ、それからソラマメ、インゲンなど、いずれも酒に合う。他にもウズラマメ、シカクマメ、エンドウなど、それらも、少なくとも私の食卓では酒の肴になることが多い。

 子供の頃から酒飲みだったわけではないが、私は甘いものが苦手な方であった。特にケーキのような脂っこい甘さが苦手だった。でも、和風の餡子は好きで、饅頭や餡餅などはよく食べていた。酒好きの私でも、酒の肴ではない、ご飯のおかずの豆料理もたまには作る。さらには、酒の肴には遠い甘い豆料理もたまには作る。ということで、
 300坪の畑を始めたのは2012年の夏、季節の野菜の種をあれこれ播いたが、ホームセンターの種のコーナーを見ると、宮古島小豆と名前の書かれた種袋があった。自給自足を目指していた私、「お菓子も自給自足するか」と思い購入。早速播く。
 翌年春に宮古島小豆は収穫できた。豆は小豆より少し大きく黒い色であった。その豆はぜんざいのようにして食べたと思うが、記憶に残っていない、写真も残っていない。
 ということで、今年(2019年)5月、八百屋に宮古島小豆があったので、1袋購入
して、煮て、ぜんざいにして食った。味は、市販のレトルトぜんざいに比べると今イチ、
どころか今サンくらいだった。豆はただ砂糖を入れて煮ればいいものじゃないみたい。そ
ういえば。亡くなった樹木希林さんが主人公であった映画『あん』を観て、「餡子作りも奥が深い」と知った私。それでも沖縄伝統のテーゲー(大概:いい加減という意)性格の私は、奥を突き詰めない。「食えりゃいいや」となってしまう。我ながら残念。
     

 アズキ(小豆):果菜
 マメ科の一年草 東アジア原産 方言名:アカマミ
 名前の由来は資料が無く不明。広辞苑に小豆と漢字表記があり「マメ科の一年生作物・・・種子は大豆より小さく・・・」で、ダイズの大豆に対し小豆なのだと思われる。小豆なら「ショウズ」でもよく、広辞苑にも別名として「ショウズ」とある。いずれにせよアズキという発音については不明。方言名のアカマミ(赤豆)はその色から。
 短茎の通常種と蔓状で長く伸びるツルアズキに分けられる。通常種の茎は直立して高さは30〜50センチになる。沖縄在来種のミヤコジマアズキは蔓状となる。
 葉は長い柄を持つ三出複葉で、小葉は卵型で長さ5〜9センチ。葉腋から短い花柄を出し、3〜12個の黄色い、いかにもマメ科らしい蝶型花をつける。開花期は初夏。莢の中の種子は大豆より小さく暗赤色。ミヤコジマアズキは黒に近い色。
 古い時代に中国から渡来し日本各地で栽培されている。煮て食用、赤飯に用い、甘く煮て餡子にし、お菓子の材になり、古くから食材として重宝されている。
 豆には薬効もあり、便秘、腎臓病、二日酔いなどに効くとのこと。 
 シマアズキ(島小豆):果菜
 マメ科の一年草 インド原産 方言名:アカマミ
 名前の由来、アズキについては上記の通り、沖縄産のなのでシマ(島)が付く。
 『沖縄食材図鑑』によると、「沖縄には伝統野菜の1つに黒小豆がある、赤い小豆より栄養価が高い、アントシアニンが多く含まれる。宮古島産が有名」とのこと。さらに「沖縄の伝統的餅菓子、十五夜に供えられるフチャギに欠かせない」ともあり、これで私も、「あーあれのことか」とよく理解できる。旬は9月〜10月。 
 花 
 莢 
 →フチャギ
 記:島乃ガジ丸 2019.7.14  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『グリーン・ライブラリー』タイムライフブックス発行
 『ネイチャーガイド 琉球の樹木』大川智史・林将之著、株式会社文一総合出版発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
 『講談社園芸大百科事典』野間省一編集、講談社発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
 『沖縄食材図鑑』田崎聡著、有限会社楽園計画発行
 『自分で採れる薬になる植物図鑑』増田和夫監修、柏書房株式会社発行
 『家庭で使える薬用植物大図鑑』田中孝治著、社団法人家の光協会発行
 
 
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