ナンバンサイカチ
 ほぼ毎週末、本を返し、本を借りるために図書館へ通う。家から徒歩10分少々の所に石嶺図書館はあり、雨の日や重い荷物を所持している時などを除いて、たいていは散歩を兼ねて歩いて行く。この糞暑い夏の日でも、ギラギラの太陽の下を歩く。もちろん、健康を目的とした、腿を上げ、腕を振りといった元気な歩行ではない。できるだけ汗をかかないよう、できるだけ陰の下をトボトボと行く、元気そうには見えない歩行だ。
 先日、東京で39度を越えた。千葉やらどこやらで40度を越えたなどと気温のニュースがあったが、沖縄ではそんな高い気温は無い。せいぜい33、4度というのが夏の間に数日あるかないかだ。それでも、炎天下では、ここ南の島の方が暑いと思う。気温は百葉箱の中、つまりは、陰で計っている。太陽の下では無い。晴れた日に、太陽の下で気温を計ってみよう。さすれば、国内では常に沖縄の気温が一番高いであろう。沖縄の日射の攻撃力は、東京のそれに比べてはるかに強い。と島人は確信している。

 図書館へ向かう行程の途中からはずっと、石嶺団地を左手に眺めながらの歩行となる。図書館の向かいもまた石嶺団地の一角となっている。その辺の団地の敷地内、図書館の斜め向かいの道路沿いに数本のナンバンサイカチが植栽されてあり、この時期、目を楽しませてくれる。一昨年ばっさりと剪定されて、昨年は花付が悪かったが、今年は咲いた。

 ナンバンサイカチ(南蛮さいかち):花木
 マメ科の落葉高木。国内では奄美以南に分布する。方言名:無し
 一般にはゴールデンシャワーという名前で知られている。黄金色の花が40〜50cmの房状となって垂れ下がる様からGolden shower treeという英名となっている。和名のサイカチは、マメ科のサイカチ属のサイカチに由来すると思われるが、ナンバンサイカチはサイカチ属では無く、カシア属となっている。
 花期は4月から9月となっているが、今が盛り。この時期に花を楽しませてくれる高木は、他にシウンボク、ホウオウボク、サルスベリなどあるが、紅色のホウオウボクと並んで、その鮮やかさはまさに南の島の色、紅型の色、見事である。

 花1

 花2

 実

 白花種?
 記:2004.7.26 島乃ガジ丸  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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