コバノナンヨウスギ |
先月、作家の森村桂が亡くなった。「天国にいちばん近い島」の作者であることは知っていたが、不勉強の私は、森村桂をずっとモリムラケイと読んでいた。訃報を知らせるニュースで、「モリムラカツラ」と耳にし、初めて自分の思い違いに気付いたのだった。 作者にもその作品にもあまり興味は無かったので、「天国にいちばん近い島」を私は読んでいない。が、天国にいちばん近い島がニューカレドニアにあるということは知っている。ニューカレドニアのどの島かについてまでは関心を持てないが、きっと、のんびりしたとこなんだろう。たぶん、「ちゅらさん」のふるさと小浜島みたいな所なんだろうな、と想像する。 コバノナンヨウスギは、その自生地がニューカレドニアのノーフォーク島だけだという。世界中見渡しても、この島にしか無かったらしい。コバノナンヨウスギが幸せになる木という話は聞かないけれど、「この木はこの島だけに与えよう」って、なんだか神様に選ばれた島みたいで面白い。「天国にいちばん近い島」の辺りは、神様に目をかけられているのかもしれない。 コバノナンヨウスギ:街路樹・公園樹 ナンヨウスギ科の常緑高木。分布はオセアニア。方言名:無し 別名をシマナンヨウスギという。現地では50mを超す大木となるらしいが、沖縄では20m程度。台風で倒されたというのはあまり見たこと無いが、枝が引きちぎられているのはよく見る。 そのすらっとした容姿は、スギ科、ヒノキ科のほとんど無い沖縄では貴重。ホテルの庭に植栽されているものは、クリスマスツリーとして利用されたりする。 すらっとしているとはいえ、大木になるので狭い民家の庭には不向き。何年か前に、邪魔だから撤去してくれと頼まれ、切り倒しに行った。ナンヨウスギは、大木になると芯が太く堅くなる。白い樹液はゴムのように粘り気がありノコに絡みつく。悪戦苦闘した。 |
記:島乃ガジ丸 2004.10.20 ガジ丸ホーム 沖縄の草木 |
参考文献
『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行 |