カナリーヤシ
 桜坂劇場がオープンして以来、映画を観る機会が増えた。少なくとも月に1本は観ている。月に1本なんて、映画好きの人に言わせたら屁みたいな数字であろうが、私にとっては例年の倍くらいの数である。
 映画にはたいていバスで行く。牧志バス停で降りて、今年できた沖縄の観光スポット(なのかどうかよく分らないが)、国際通りに面したテンブスの横の道を入り、テンブスの後ろにある公園を横切って桜坂劇場へ行く。もうずいぶん馴染みとなったその公園には数種類のヤシが植栽されており、その中の1種に、私には名前の判らないヤシがあった。
 写真に撮って後日調べると、そのヤシはカナリーヤシと判明。カナリは漢字で書くと可也となり、「非常にとまではいかないが、並み一通りを越える程度であること。」(広辞苑)という意味になる。カナリーヤシは、並より少し価値の高いヤシ、などといったことから可也ヤシという名前がついた、・・・というわけでは無い。

 カナリーヤシ(かなりー椰子):街路・公園
 ヤシ科の常緑高木 カナリー諸島の原産 方言名:なし
 シンノウヤシ、ナツメヤシと同じフェニックス属のヤシ。英語名は、この属の代表種であるナツメヤシの名をとってCanary date palmという。カナリー諸島のナツメヤシということ。ただ、ナツメヤシはその実が食用となり、樹液から砂糖も取れる重要な栽培植物であるが、カナリーヤシはもっぱら街路樹などの緑化樹として用いられている。
 高さ10mに達し、幹が太く、葉も長く、どっしり、がっしりした風格のある姿が特徴。フェニックス属の他の2種と同様、葉の根元には鋭い棘がある。
 なお、カナリー諸島(Canary Islands)は、参考文献にはそうあったが、一般にはカナリア諸島と呼ばれているのかもしれない。アフリカ北西岸寄りの大西洋上に浮かぶ諸島。
 記:島乃ガジ丸 2005.12.4  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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