ホウオウボク
 健康のため、休日の買い物はなるだけ徒歩にしている。家からAスーパーもBスーパーもほぼ同距離、早足(と言っても沖縄の早足、東京の早足に比べたらごくのんびり)で20分、ゆっくり歩いて30分のところにある。Aスーパーへ行く途中には小学校があり、中学校があり、図書館があり、高校の野球場があり、さらにもう一つの小学校がある。歩く道には街路樹もあって、緑豊かな散歩道となっている。
 図書館のある辺りの街路樹は、主にホルトノキとホウオウボク、先日通りかかった時、そのホウオウボクに少し花がついていた。低い位置に咲いている花だったので、花のアップの写真が撮れる、と思ったが、カメラを持っていなかったので、撮影はできなかった。
 今年のホウオウボクは、概して花付きが悪い。度重なる台風のせいだと思う。花芽を付けたかと思うと、台風が来て花芽を吹き飛ばす。今年はこれが数回繰り返された。
 Bスーパーへ行く途中には銀行がある。その駐車場に、高さは5m程度だが、葉張りが10mほどもあるホウオウボクがある。昨年、このホウオウボクは実に見事な花を咲かせた。10mもある樹冠いっぱいに花を付け、紅色に染まった。紅色の傘であった。その時は樹木の写真を撮り集めようなどとは思っていなかったので、残念ながら、その見事な紅色の傘は撮っていない。が、今年は狙っていた。狙っていたが、咲いてくれなかった。

 ホウオウボク(鳳凰木):花木
 マメ科の落葉高木。分布は熱帯、亜熱帯各地。方言名:なし
 ホウオウボクは広辞苑にも載っており鳳凰木と字が充てられている。では、鳳凰とは何ぞや?となり、これも広辞苑、「古来中国で、麒麟・亀・竜と共に四瑞として尊ばれた想像上の瑞鳥」とのこと。瑞鳥は「めでたい鳥。鶴や鳳凰の類」とのこと。鳳凰の項には見た目の説明もあり、「前は麒麟、後は鹿、頸は蛇、尾は魚、背は亀、頷あごは燕、嘴は鶏に似、五色絢爛」と書かれてある。ホウオウボクと鳳凰がどこで繋がるかというと、おそらく「五色絢爛」の「絢爛」と思われる。花の盛りはまさに絢爛と呼ぶに相応しい。ちなみに絢爛(けんらん)とは「きらびやかに輝いて美しいこと」(広辞苑)。
 高さは10mほどになる。枝が横に大きく広がるので一般の民家の庭には不向き。横広がりになることから緑陰樹に最適で、公園に多く、街路樹としても使われる。枝が細い割に葉が多く付くので台風に襲われると枝折れしやすい。
 自然樹形が傘状の美しい形で、花は枝先に房状につき、傘状の樹冠を覆い見事な景色となる。花色は紅緋色。橙、黄色の品種もある。開花期は6月から9月。
 花

 並木
 訂正加筆::2011.7.31 ガジ丸
 記:島乃ガジ丸 2004.9.30  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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