ニンニクカズラ
 アパートの駐車場のフェンスに絡み付いているニンニクカズラは、少なくとも15年以上は経つ古株。1.5mの高さのフェンスでは足らず、フェンス傍のオオムラサキシキブ、高さ3mを超えるネズミモチに絡まって、放っておくと、これらの植物を覆い隠してしまう。平均して月に1回は剪定している。それは店子の私の仕事となっている。
 一つの株から数え切れないほどの蔓を伸ばす。剪定した切り口から分枝するので、切れば切るほど蔓の数が増えることになる。それだけではない。種が落ちてなのか、あちこちから新しい株が芽生えてくる。それらは容赦なく根っこごと引き抜くことにしている。
 「何もそこまで難儀しなくてもいいじゃないか」とある友人に言われたが、このアパートに越してきて、最初にこの蔓の剪定を大家に頼まれた時は、ニンニクカズラは伸びたい放題に伸びていた。ネズミモチを覆い隠し、その先の電線にまで絡まっていた。その除去作業には5、6時間を費やした。ネズミモチの枝に巻きひげが強く絡みついているので、それを引き剥がす作業は力仕事だった。両手に計4箇所のマメができた。
 そんな苦労を経験しているので、今はネズミモチに絡みつく蔓が2m以上にはならないうちに刈るようにしている。これが、だいたい平均して月1回の作業となっている。

 ニンニクカズラ(大蒜蔓):フェンス・パーゴラ
 ノウゼンカズラ科の常緑蔓植物 原産はアルゼンチン 方言名:無し
 どの資料でも原産・分布がアルゼンチンのみとなっている。アルゼンチンと言っても南北に長い国だが、ニンニクカズラの自生地はその北(暖かい方)の地方であろう。なぜなら、この蔓植物は沖縄の環境でも生育が旺盛だからだ。呆れ返るほどだ。
 ニンニクという名前は、葉を揉むとニンニクの匂いがするから。実際にその匂いがする。切った枝の切り口からも匂いがする。だけど、花はきれい。アパートの株は年に数回花を咲かせる。その盛りの頃には一編たくさんの花をつけるので、見事な景色となる。
 記:2004.10.6 島乃ガジ丸  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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