ムラサキアリアケカズラ
 「買い物があるから車運転して。」と言う女房に付き合ったり、
 「野球の試合があるから観に来て。」と言う息子に付き合ったり、
 「この企画書、明日までに仕上げてくれ。」と上司に命じられたり、世の中の働くお父さんには大変な生活を送っている方も多かろう。しかし、私には「あーしろこーしろ」と言う女房子供はいないし、職場の社長も無理な注文はしない。ただ、同僚を助けるために自主的残業はある。しかしそれも、ほんの稀である。よって、私には世の中の多くのサラリーマンお父さんに比べると自由な時間はたっぷりある。
 自由な時間はたっぷりあるが、植物や動物、沖縄の歴史や文化、風俗などの調べ物をしたり、それらを文章にまとめたり、絵を描いたり、作詞作曲をしたり、日々三食の炊事をし、掃除や洗濯をし、週末は散歩をしたり畑仕事をしたり、ちょこちょこと付き合いがあったり、などなどして、毎日はあっというまに過ぎていってしまう。
 そういった日常なので、旬の花の写真を撮り、それを調べて、文章を書いて、HPに載せるまでに長い時間がかかる。旬の花はたいてい1、2ヶ月遅れとなる。最近紹介したリュウキュウアセビやギイマなども1、2ヶ月遅れの紹介であった。

 ムラサキアリアケカズラは、黄色花のアリアケカズラを紹介した時から存在は知っていた。が、なかなか発見できずにいた。今年の6月になって、年に数回は通る散歩道で、家から徒歩5分程度の場所にある民家の庭で見つけた。
 本種もまた、写真を撮ってから2ヶ月遅れの紹介となったのだが、しかし、本種の開花期は5月から11月となっている。まだ旬なのである。開花期の長いのはいいね。

 ムラサキアリアケカズラ(紫有明蔓):フェンス・パーゴラ
 キョウチクトウ科の常緑蔓性低木 ブラジル原産 方言名:なし
 アリアケカズラはアラマンダとも言うが、アラマンダは属名のAllamandaから。本種も同属で、花色が紫色であることからムラサキアリアケカズラ(紫有明蔓)という名前。当然の如く、ムラサキアラマンダという別名もある。
 アラマンダの仲間ではオオバナアリアケカズラをよく見る。街路樹、公園、民家の庭で大輪の、鮮黄色の花を咲かせているのは概ねそれである。本種は植栽されている数が少ない。赤紫色の花が地味だからだと思われる。開花期は5月から11月。
 ツル性なので、フェースやパーゴラに巻きつかせて楽しむ。成長が速く、萌芽力も強いので、適宜刈り込んで、生垣風に仕立てることもできる。陽光地を好む。
 『沖縄都市緑化図鑑』に「花や葉の大きさは、アラマンダ属の中では小さい。」とあったが、私が見たものはそうでもなかった。「花径5〜7センチ」ともあったが、少なくとも8センチはあったように思う。もしかしたら花の大きな園芸品種かもしれない。

 花

 実
 記:島乃ガジ丸 2008.8.19  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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