シバザクラ
 『民謡でちゅーうがなびら』というラジオ番組がある。午後3時からの放送なので、普通に働いていた頃はほとんど聴くことはなかったが、時短で週休五日となった去年から時々聴いている。確認はしていないが、おそらく40年くらい続いている長寿番組だ。そして私は、長いブランクはあったが、その長寿番組の古いファンである。高校時代、浪人時代、無職時代の「午後3時でもヒマ」だった頃はよく聴いていた。
 どの時代だったか、はっきり覚えてはいないが、『民謡でちゅーうがなびら』の出演者の一人、北島角子おば様が、「姥桜(うばざくら)がどーのこーの」という内容の民謡を歌っていた。おば様は私の母と同世代なので、その頃既に四十代後半から五十代前半だ。なので、「私はオバーだけど、まだ花は咲くのよ」と歌っているのだと思った。

 改めて確認してみる。広辞苑によると、姥は「老女」のこと、オバーで間違いない。ところが、姥桜は「娘盛りが過ぎてもなお美しさが残っている年増。女盛りの年増。」とあった。「年増」とか「女盛り」って何歳くらい?とさらに調べる。年増は「やや年をとった女性」、女盛りは、「女が肉体的・精神的に最も充実している年ごろ」とのこと。
 「やや年をとった」は不明だが、「肉体的・精神的に最も充実している」については、三十代だと私は認識している。これまでの経験からそう思う。その年頃の女性に私は魅力を感じてきたし、今でも姪のMや甥の嫁のMに女性の魅力を強く感じている。
 なお、「女盛り」を過ぎた女性のために言うが、肉体的はともかく、精神的には、四十代、五十代と歳を増す毎に魅力も増していると私は感じている。人によるけど。

 植物のシバザクラから姥桜を連想して、植物とは関係無い話となってしまった。シバザクラは、「女盛り」でなくても、春になれば可憐な花を咲かせてくれる。

 シバザクラ(芝桜):花壇・グランドカバー
 ハナシノブ科の常緑多年草 北アメリカ原産 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く、正確には不明だが、広辞苑に「芝桜」と漢字があった。それと、広辞苑の説明文から容易に推測できる。「茎は地上を這い大面積を被う、葉は短い線形」(広辞苑)ということから芝、「サクラに似た小花」(同)をつけることから桜なのであろう。「茎は地上を這い」も「葉は短い線形」も確認済み。「サクラに似た」は「そうかぁ?」とちょっと疑問だが、皆がそう言うのであればそうなのであろう。
 別名にモスフロックス、ハナツメクサがある。モスフロックスのモスは苔という意、フロックスは学名で、ハナシノブ科クサキョウチクトウ属のこと。ハナツメクサは花詰草の意で、シロツメクサの詰草、シロツメクサは本種とは別科のマメ科だが、地面を這って広がるところが似ている。本種は花が目立つのでハナと付くものと思われる。
 草丈は10センチほどで、茎が多く枝分かれしながら地面を這って広がるので、グランドカバーに向く。性質は強い方で、乾燥や寒さに耐える。
 花は直径2〜3センチと小さいが、枝先に多く付け目立つ。園芸品種が多くあり、花色は紅、白、淡い桃、淡い青色などがある。開花期、沖縄では3月から5月。

 花
 記:島乃ガジ丸 2011.5.7  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
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