セージあれこれ2
 前回も○○セージと名の付く植物を紹介したが、今回もその続き。セージと名は付いているが、セージ(コモンセージ)のように薬効があるわけではないようで、花を愛でるために花壇植栽として用いられているようである。
 最後のブルーサルビアは○○セージという名ではないが、前回の2種と今回の上の2種と同じシソ科サルビア属の植物で、「ハーブは種類が多いなぁ、面倒だなぁ」と感じている時に出会ったもので、学名を見ると他の4種と親戚なのでついでの紹介となった。 
 チェリーセージ(Cherry sage):花壇・庭
 シソ科サルビア属の多年草 メキシコ原産 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く正確には不明。セージは同じシソ科サルビア属のコモンセージ(和名:薬用サルビア)から拝借しているものと思われる。葉の見た目はよく似ている。
花弁が赤いのでチェリー(イチゴ色)とついてチェリーセージだと思われる。
 別名としてサルビア・ミクロフィラとあるが、これは学名の日本語読み。
 葉は、小さな卵形、分枝が多く全体にこんもりとした形になるので花壇植栽に向く。茎先や葉の脇から総状花序を出し、唇形の、根元は白く先の方は赤い花をつける。
 ちなみに学名は、Salvia microphylla 
 花
 
 ディスコロールセージ(Discolor Sage):花壇・庭
 シソ科サルビア属の多年草 ペルー原産 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。セージは同じシソ科サルビア属のコモンセージ(和名:薬用サルビア)から拝借しているものと思われる。ディスコロールについては英和辞典で調べてみた。「変色する」という意であった。ガクと花弁、葉の裏表の色のコントラストから、「変色する」という意からディスコロールとなったのであろう。
 別名として、サルビアディスコロール、ディスカラーセージなどがあった。
 ガクは灰緑色、それに包まれて黒花が咲く。開花期は5〜11月、私の写真2月のもので多くの花が付いていた。沖縄ではもっと長い機関咲いていると思われる。
 ちなみに学名は、Salvia discolor 
 花
 
 ブルーサルビア(Blue salvia):花壇・庭
 シソ科サルビア属の多年草 北アメリカ原産 方言名:不詳
 名前の由来は資料が無く不明。サルビアについては、「広くはシソ科アキギリ属植物」(広辞苑)のことで、ハーブのセージ(sage)などもこれに含まれる。英語ではセージがCommon Sage(普通のセージ)で、サルビアはscarlet sage(緋色のセージ)のこと。本種は花色がブルーなのでscarlet sageに対し、Blue salviaということであろう。咢が粉白色を帯びところから和名ではケショウサルビアと呼ばれることもある。
 本種を記本種に様々な園芸品種があるらしい。概ねで言えば、高さ30〜90センチ、花は茎上部に密集して輪生し、輪散花序花に色は青、開花期は4〜10月。
 ちなみに学名は、Salvia farinacea Benth. 
 記:島乃ガジ丸 2019.8.18  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
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 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行
 『ハーブを楽しむ本』川口昌栄編集、株式会社集英社発行
 『琉球薬草誌』下地清吉著、琉球書房発行
 『沖縄やんばるフィールド図鑑』 湊和雄著 実業之日本社発行
 『グリーン・ライブラリー』タイムライフブックス発行
 『ネイチャーガイド 琉球の樹木』大川智史・林将之著、株式会社文一総合出版発行
 『つる植物』沖縄都市環境研究会著 (有)沖縄出版発行
 『熱帯アジアの花』ウィリアム・ウォーレン著、チャールズ・イー・タトル出版発行
 『講談社園芸大百科事典』野間省一編集、講談社発行
 『沖縄の薬草百科』多和田真淳・大田文子著、那覇出版社発行
 『沖縄食材図鑑』田崎聡著、有限会社楽園計画発行
 『自分で採れる薬になる植物図鑑』増田和夫監修、柏書房株式会社発行
 『家庭で使える薬用植物大図鑑』田中孝治著、社団法人家の光協会発行
 
 
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