オオキンケイギク
 先日(10月11日〜15日)の北海道の旅で、15種類くらいの日本酒を私は飲んでいるが、日本酒は大好きなのだが、どの銘柄がどんな味なのかは全く覚えていない。日本酒は、さっぱりとして旨い酒、まったりとして旨い酒、さっぱりとして不味い酒、まったりとして不味い酒の概ね4種に私は分けて感じている。どの酒がどの程度さっぱりしていたか、まったりしていたかはほとんど記憶に無い。どうも私は、物事の細かい違いを記憶するのを苦手としているみたいである。
 というわけで、これまでにたくさんの植物を紹介していて、今さらこう言うのもなんだが、紹介した植物の半分くらいは忘れている。先日、枝葉の写真を見せられて、「この植物の名前を教えてください」と尋ねられたが、答えることができなかった。それは、難しい植物では無かった。私もよく知っている木であった。ただ、その枝葉の色形が私の記憶から消えてしまっていたのである。よく知っている植物でもそう。
 草本類にキク科の植物は多くあり、どれも似たような花をしている。写真を撮って、調べて、「おー、これはオオキンケイギクというのであるか」とその時は喜んで、頭の中に入れるのであるが、これなどは今まで全く知らなかった植物である。しかも、似たような花がいくつもある。きっと、数日後には記憶から消えていることであろう。
 将来は「物知り爺さん」となって、周りの人たちの尊敬を得ようとの野望を持って、このHPを始めたのであるが、どうもその達成は危ういのである。

 オオキンケイギク(大錦鶏菊):花壇
 キク科の多年草 北アメリカ原産 方言名:なし
 キンケイ(錦鶏)は「キジ目キジ科の鳥。中国原産。・・・雄はことに美しく頭上に黄金色の冠羽を戴き、・・・」(広辞苑)のこと。その美しい黄金色の冠羽に花を見立ててキンケイと名が付く。同属にキンケイギクという種もあって、本種はそれより花が大きいため。オオ(大)が付き、オオキンケイギクという名前。
 文献に「橙黄色」とある花は、私には鮮黄色に感じられるが、直径5センチ前後と大きく、群れて咲くので、どちらにしろよく目立つ。開花期については資料が無く、正確には不明だが、文献の写真は4月、私が見たのは5月、ということで、春としておく。
 高さは30〜70センチ。栽培されたものが流出して野生化したものもあるとのこと。
 
 花
 ついでに、キンケイギク。
 キンケイギク(錦鶏菊)
 キク科の一年草 アメリカ原産
 オオキンケイギクは多年草だが、こちらは一年草。
 高さ60センチ内外。花は周囲が黄色で中央部は紫褐色。

 今週、別項で紹介しているハルシャギクも上の2つと同属。で、学名を載せておく。
 オオキンケイギクCoreopsis lanceolata L.
 キンケイギクCoreopsis drummondii
 ハルシャギクCoreopsis tinctoria Nutt.
 記:島乃ガジ丸 2006.10.29  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
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