クササンダンカ
 だいぶ前にサンダンカを紹介し、その時、その頁で、ついでにクササンダンカも紹介したが、サンダンカは木本類で、クササンダンカは草本類、花の形は似ているが、全体の雰囲気は大きく異なる。よって今回、改めて、別項として紹介したい。
 なお、クササンダンカはサンダンカと同じアカネ科だが、属が違う。サンダンカはイクソラ(Ixora)属で、クササンダンカはペンタス(Pentas)属となっている。
 サンダンカは沖縄の三大名花とされるが、細かいことを言うと、公園や民家の庭には、同じイクソラ属でもベニデマリという種の方を多く見かける。サンダンカは概ね橙色で、ベニデマリは概ね深紅色、見た目の鮮やかさはベニデマリに軍配が上がる。
 しかし、花壇を彩るのに適した花、というのであれば、サンダンカよりもベニデマリよりもクササンダンカの方に私は軍配を上げたい。ベニデマリもサンダンカもよく見かける植物で、特にベニデマリは街路樹としても多い。ただ、私の感覚では、学校の花壇や、民家の門前の花壇などではクササンダンカを良く見かける。
 クササンダンカは品種が多く、花の色が、赤色、白色、桃色など多彩である。葉は小さく控えめな色である。花壇の彩としては使い良い植物だと思う。

 クササンダンカ(草山段花・草山丹花):花壇・鉢物
 アカネ科の常緑多年草 熱帯アフリカ、アラビア半島南部に分布 方言名:なし
 同じアカネ科のサンダンカに花の付き方、形が似ており、サンダンカは木本で、本種は草本というところからクササンダンカという名前。サンダンカについては、三段に重なるようにして花が咲くからという説があるが、正確なところは不明。園芸店などでは学名のペンタスという名で鉢物が売られている。
 本種の花弁の先は尖っている。サンダンカの花弁の先は丸い。ところが、同じサンダンカの仲間でもベニデマリ(ミニサンダンカ)の花の先は尖っている。なので、クサベニデマリという名の方が良いと思うが、まあ、たいした差では無い。
 ちなみに学名、サンダンカは、Ixora chinensis Lam.
 ベニデマリ(ミニサンダンカ)は、Ixora coccinea L.
 本種クササンダンカは、Pentas lanceolata
 高さは、50センチから1メートルと文献にあるが、1メートルの高さのものを私は見たことが無い。私が見た限りでは、せいぜい50センチ程度。
 陽光地を好み、多湿を嫌う。成長が速く、よく分枝し、多くの花をつける。茎が軟いので強い風には弱い。花色は赤、白、桃など、開花期は周年。

 赤花

 白花
 記:島乃ガジ丸 2008.6.24  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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