コロマンソウ
 ロマンスグレイを広辞苑で引くと、「中年男の白髪まじりの頭髪。また、その髪をした魅力的な男性。」とある。同じ白髪まじりの頭髪をしていても、中年女は含まれない。男は、白髪まじりの頭髪で魅力が増すが、女はそういうことにならないのであろう。
 私は白髪まじりの頭髪をしている中年男なので、当然、ロマンスグレイである。であるが、「ロマンスグレイをした魅力的な男性」と言われたことは、かつて一度も無い。
 昨今は、ロマンスを「恋愛」の意味で使うことも多いようである。その意味で言えば、私はロマンスから遠く離れている。「ロマンスグレイをした魅力的な男性」と見られないのは、そういうことに原因があるのであろう。・・・ということにしておく。
 ロマンスは「恋物語」(広辞苑)のことで、ロマンチックは「伝奇的、空想的」(〃)のことで、ロマンチシストは「空想家、夢想家」(〃)のことで、それらの元となったロマンは「夢や冒険への憧れを満たす事柄」(〃)のことのようである。「夢や冒険への憧れ」、「空想」、「夢想」などは、私の中にまだ多く存在する。よって、私は、私の白髪まじりの頭髪のことを、ロマングレーと呼ぶことにしたい。ロマングレーは、「中年男の白髪まじりの頭髪。また、その髪をした夢想家オジサン。」となる。

 ロマンは漢字で浪漫と書く。「ろまん」とも「ろうまん」とも読む。漢字の見た目も、読み方も空想的、夢想的な匂いがして良い。コロマンソウは、ちょっと空想的な草という意味で、小浪漫草という字を私は充てたい。でも、たぶん、違う。

 コロマンソウ(ころまん草):花壇
 ゴマノハグサ科の多年草 東南アジア原産 方言名:なし
 別名アシスタシアと言う。これは学名の属名からで、分り易い。コロマンソウの由来が不明。小さなときめきという意味で小浪漫草としたいが、まったく自信は無い。「インド南東部のベンガル湾岸、北はクリシュナ河口付近から南はカリメール岬に至る海岸」(広辞苑)のことをコロマンデルと言う。そこで多く見かけるからということかも。
 茎は多数分枝して、小さな葉が密につく。刈り込んで形を作りやすい。高さは1mほどになるが、茎はまた、その接地した節から根が出て、地を這うようにしても広がる。
 葉脇から出た花穂にアサガオに似た、アサガオの半分位の大きさの花を10個内外つける。色は桃色、紫色、白色などがある。開花期は3月から12月。
 花壇の他、切花としても利用されるとのこと。若葉は食用にもなるとのこと。

 花1

 花2
 記:島乃ガジ丸 2007.4.24  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
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