ベゴニア類
 毎週土曜日実家へ行って、父にパソコンを教えている。母にも一緒に教える予定であったが、体調が万全でないということで、それは延期となっている。
 これまで父へのパソコン講義は2回行っている。その2回、約2時間で、パソコンの電源を入れる、消すをやっと覚えてくれたかどうかである。先週、3回目の講義を行おうとしたら、「もう一人でできるから」ということであった。「ん?怪しい」と思ったが、母が再入院したとのことで、私は病院へ急ぎ、その日の講義は中止となった。
 「ん?怪しい」と思ったのには理由がある。前2回の講義で、父は1分前に教えたことも覚えていなかったからだ。矢印をスタートボタンに持っていってクリック、矢印をウィンドウズの終了に持っていってクリック、などといったことを20回繰り返しても覚えていなくて、そのたんびに「次はどうするんだっけ?」と私に訊いたのである。
 77歳の脳味噌はこういうものかと思う。昔のことはよく覚えているのに、1分前のことを覚えることは難しいようだ。備忘録が必要だと思った。それも本人が、自分が解るように書く。そうしないと、きっと1年経っても覚えることはできないのかもしれない。
 そう言う私だって脳はちゃんと衰えている。このHPで多くの植物、動物を調べて紹介しているが、そうやって調べた新しい知識はなかなか身に付かないでいる。大方は忘れてしまっている。若い頃得た知識はしっかり記憶しているんだが・・・。

 むかし、・・・ここでいう昔は、今週別項で紹介しているゼラニウムと同じ日、つまり約二十年前のこと。そして場所もまた、ゼラニウムと同じ那覇市役所に面した通りの花壇で、ゼラニウムから少し離れたところ。そこにゼラニウムとは別種の、これまたゼラニウムと同じく全体の形、葉の形、花の形はほぼ一緒で、花の色だけが違う植物を見る。これもその時、名前を聞いた。その時、私の脳味噌は若かったので、ゼラニウムと共に、聞いた名前をちゃんと記憶し、今でも覚えている。ベゴニアという名の植物。

 ベゴニア(Begonia):花壇・鉢物
 シュウカイドウ科の宿根草 世界の熱帯亜熱帯地方に広く分布 方言名:なし
 ベゴニアという名前は学名の属名であるBegoniaからきているが、ベゴニアはシュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニア属)植物の総称で、オーストラリアを除く世界の熱帯亜熱帯地方に産し、多くの種がある。また、それらの原種からさらに多くの園芸品種が生まれている。園芸店で多く見られるのはキダチベゴニア、レックスベゴニア、球根ベゴニアなどで、ベゴニアの代表はどれかと言われても特定できない。
 『沖縄園芸大百科』にも8種が紹介されている。それぞれに特徴があるが、ここではその内の、私が見たことのある4種を紹介しておく。

 キダチベゴニア(木立begonia):花壇・添景・鉢物
 茎が直立し、大きくなると木質化することからキダチ(木立)とつく。
 丈夫な性質のベゴニアで、庭の添景にも使える。真夏を除いて花を咲かせる。

 花


 シキザキベゴニア(四季咲きbegonia):花壇・鉢物
 キダチベゴニアの一種で、同じく四季咲き性であるところからこの名がある。園芸店ではセンパフローレンスという名前でよく見かける。
 草丈が低く、花数が多いので花壇の花としてよく用いられる。

 レックスベゴニア(rex begonia):花壇・鉢物
 名前は学名のbegonia rexから。根茎性ベゴニアから分かれたもの。
 葉が大きく、色彩も多様の美しい種類で、観葉植物として人気がある。

 キュウコンベゴニア(球根begonia):花壇・鉢物
 球根性のベゴニアということからこの名がある。
 園芸品種が多く、花の色、形も豊富。大輪美花のベゴニアとして人気がある。
 記:島乃ガジ丸 2007.6.17  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
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