ムラサキドリビー
 アパートの近くに石嶺図書館があるのを知って(知るのに5、6年かかってしまった)からはずっとご無沙汰しているが、それまでは、本を借りるのに利用していたのは宜野湾市立図書館であった。毎週金曜日に出勤している職場へ行く途中にそこはあった。
 その図書館を今朝、久しぶりに訪ねた。5、6年ぶりということになる。目的は、ムラサキドリビーの写真を撮るということだけ。そこの花壇にムラサキドリビーが寄せ植えされており、毎年多くの花を咲かせているのを私は知っていた。写真を撮るだけ、のつもりだったが、その前にちょっと図書館の中へ入る。ほんのついでの寄り道。

 私が通っていた5、6年前までのことだが、図書館の職員にYさんという若い女性がいて、その人がまたすごくカワイイ人で、私は一目惚れしてしまった。一目惚れはしたが、なかなか踏み込めない。当時、イイ仲の女性が他にいて、根が真面目である私は、そう簡単に乗換えができなかったのだ。Yさんのことは忘れることにした。
 今はもう、彼女もおそらく三十を超えたかどうかという歳になっている。すごくカワイイ人だったので、そんな歳まで放って置かれることはおそらく無かろう。それでも、ほんのわずか期待して中を見渡してみたが、やはり、その姿は無かった。

 外に出て、ムラサキドリビーのある花壇へ向かう。花壇はいくつもあるが、確かここだと思っていた花壇にムラサキドリビーは無い。ぐるっと回って、全ての花壇を見たが、どこにも無い。あのかわいらしい花は何処へ行った。花よりもずっとかわいらしいYさんとともに消えちまった。などと彼女の顔を思い浮かべながら、ちょっぴり切ない気分を味わう。夏を思わせる青空の下、手に持ったカメラに想い出は写せなかった。

 ムラサキドリビー(紫どりびー):花壇
 キツネノマゴ科の常緑低木 原産分布はフィジー諸島 方言名:なし
 ドリビーという名は、『新緑化樹木のしおり』によると「フィジー諸島でドリビードリビーと呼ばれている」ことからきているらしい。
 樹高は1mほどになる。伸びた枝の先に多く花をつけるので、低い位置の花壇に向く。その年に伸びた枝に花を咲かせるので、新枝が出た後は剪定しない。陽光地を好む。
 5弁の星型の花はその名の通り紫色。開花期は7月から11月。
 なお、写真は後日、別の場所で撮った。2006.4.20に追加する。

 花
 記:島乃ガジ丸 2005.9.9  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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