イソマツ |
私が小学生の頃、三大少年漫画週刊雑誌があった。今でもそれらがあるのかどうか不明だが、少年マガジン、少年サンデー、少年キングという名称であった。キングのことは良く覚えていないが、マガジンにはあの有名な『巨人の星』が載っていた。サンデーにも有名な作品があった。『おそ松くん』、作者は天才ギャグ漫画家、赤塚不二雄。 『おそ松くん』は六っ子のうちの一人の名前、おそらく彼が主人公だと思われるが、六っ子の他の5人も男の子であり、ほとんど同じ顔、同じ恰好をしているので、誰がどのような性格であったか、どのように活躍していたのかなど、全く記憶にない。 主人公のおそ松くんや、他の5人の兄弟よりももっとずっと有名なキャラクターがその漫画にはいた。世紀のギャグ「シェー」を持つイヤミと、おでん大好きチビ太の二人。この二人は強烈なキャラクターとして記憶に残っている。45年ほども前のキャラクターたちだが、今でも十分活躍できると思う。赤塚不二雄は凄い。 おそ松くんの他の5人の兄弟の名前、みんな「松」が付いていたことは覚えているが、正確には覚えていない。トド松、カラ松、アカ松、クロ松、ゴヨウ松など浮かぶが、それらはいずれも植物のマツの種類である。オソ松という種類のマツは無い、それは御粗末という語から来ていると思う。ちなみに、イソ松という種類のマツも無い。 今回紹介するイソマツはイソマツ科の低木。イソマツからおそ松くんを連想し、赤塚不二雄は凄ぇ漫画家だったと思い出し、サンデーやマガジンを思い出してしまった。 イソマツ(磯松):盆栽・海岸装飾 イソマツ科の低木 先島、久米島に分布 方言名:ガラスヌパン(西表) 名前の由来、イソマツが「イソマツ科の多年草。暖地の海岸に生え、・・・古い部分は木本状で、皮がクロマツの幹に似る」と広辞苑にあり、磯松と字が充てられている。松に似るのでマツ、磯に生えるのでイソということであろう。 広辞苑には「多年草」とあるが、私が参考にしている文献にはいずれも小低木とあったので、それに従い、低木に含めることにした。 本種とごく近いウコンイソマツは随分前に見つけていたが、本種には去年与那国を旅した時に初めて出会った。それもそのはず、ウコンイソマツは沖永良部、与論、沖縄島に分布し、本種は久米島、宮古諸島、八重山諸島、与那国に分布するとのこと。 海岸の潮水をかぶる岩の上に自生し、高さは10〜20センチになる。 花茎を伸ばし2〜3つに分岐しつつ、その先に小花を多くつける。花は淡紅紫色、開花期、私の写真は9月、文献には11月とあるので9月から11月としておく。 学名は、 イソマツは Limonium wrightii O.K. f.arbusculum Hatusimaと付く。 ウコンイソマツは Limonium wrightii O.K. 花 |
記:島乃ガジ丸 2012.12.11 ガジ丸ホーム 沖縄の草木 |
参考文献 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行 |