ハナキリン
 今年の正月、活花にした花はシラユキヒメという名。シラユキヒメはいかにも園芸品種名と思われたので、本名を調べてみると、学名がユーフォルビア・レウコケファラ。正式な和名はまだついていないらしい。シラユキヒメという名で通っているとのこと。
 庭木として使えそうだが、まだそう多くは流通していないようで、沖縄の環境に合うのかどうか、どんな使い方ができるのかは、これからのこととなる。
 ユーフォルビア属には他にショウジョウボク(ポインセチア)、ミドリサンゴ、ハナキリンなどがある。ショウジョウボクは既に紹介した。ミドリサンゴは庭木としてはあまり使われないので、今回はハナキリンの話。

 ミドリサンゴは庭木にあまり使われないと書いたが、実は、ハナキリンも庭木としてはあまり用いられない。花はきれいなんだが、幹枝には棘が多くあり、葉は小さく少ないので、全体の形としてはそうきれいとは言えない。鉢物として単独に飾るならばサボテンのような雰囲気があって、それなりに見栄えはあるのだが、庭に植えると目立たないし、その鋭い棘も、庭手入れの時などに邪魔になって良い感じがしない。
 数年前のこと、そんなハナキリンを、私は畑の周りの生垣にしようと計画した。その鋭い棘がきっと役に立つに違いないと思ったからだ。私の畑にやってきて雲子する奴らの、にっくき猫たちの侵入を防ぐことができると思ったからだ。

 ハナキリンを植えるには、今あるニラの株を全て移植しなければならない。他、詫び助椿2本、シマトウガラシ1株の移植も必要となる。それらが面倒で、ハナキリン生垣計画は数年経った今でも遂行されずにいる。同僚にその話をすると、「ハナキリンなんて、高さはせいぜい50cm位にしかならない。その程度は猫の障害にはならない。猫の奴らは、苛めてやろうと思っている人間に対しては、執拗にやる。諦めるこった。あるいは、むしろ、猫たちに餌でもやって仲良くすることだ。そうすれば、苛めには来ない。」とアドバイスされた。バカ言ってんじゃないよ!なのだ。誰が奴らに餌などあげられるものか。

 ハナキリン(花麒麟):生垣・花壇
 トウダイグサ科の常緑低木。原産分布はマダガスカル。方言名:ガンダイゴ
 造園木としては特殊類に分類される。茎は多肉、鋭い刺が多くある。上記に花と書いたが、枝頂にまとまってつく紅色の花のように見えるものは、ポインセチアと同様で包葉と呼ばれるもの。その包葉、本土ではどうか知らないが、沖縄ではほぼ年中咲いている。
 鋭い刺は葉が変化したものとのこと。丈夫な植物で,乾燥にも、日陰にも強い。 
 花

 ついでにシラユキヒメ
 シラユキヒメ(白雪姫):刈込・添景
 トウダイグサ科の常緑低木。原産分布は中南米。方言名:無し
 冬に開花する白いものは、ハナキリン、ポインセチアと同じく苞葉。
 記:島乃ガジ丸 2005.1.10  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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