アマミヒトツバハギ
 去年(2012年)大晦日、小豆島から遊びに来ていた友人Oを観光案内し、斎場御嶽へ連れて行った。が、そこはお休み。ならば久高島へと船の発着場である安座真港へ、ところが、船の出る時刻が我々のこの後のスケジュールと合わず、島行きは断念。
 その後は、那覇へ戻り、市内(主に国際通り周辺)の観光案内となった。徒歩で牧志まで行き、平和通りから公設市場、桜坂劇場、壷屋やちむん通りなどを歩く。その道々、Oが「あれは何?これは何?」と訊く植物などの名前を答えてあげる。「さすがだね」と彼が褒めてくれるのに満足しつつ帰った。

 私はこのガジ丸HPで、これまで既に800種近い植物を紹介している。でも、そのうち名前を覚えているのは半分も無いと思う。私の脳の記憶能力の問題である。それでも、街中の公園(大規模な自然公園では無く、ということ)であれば、そこにある植物の半分くらいはその名を答えることができると思う。半分でも「さすがだね」となる。
 大規模な自然公園ともなると、「これ何だったっけ?」と名前を思い出せないものだけでなく、まるっきり知らない植物がたんとある。去年訪れた読谷の海辺の公園は中規模の公園であったが、そこでもそのような植物にいくつか出会った。出会って、名前も調べたけれど、きっと覚えられないであろうと思う植物もある。特徴が掴めず、私の弱体脳味噌が記憶してくれないのだ。アマミヒトツバハギもその一つ。

 アマミヒトツバハギ(奄美一葉萩):添景・薬用
 トウダイグサ科の落葉低木 種子島〜沖縄諸島、台湾などに分布 方言名:カナキ
 名前の由来は資料が無く不明。ヒトツバハギという種があり、本種とは変種関係で本州中西部〜四国〜九州に分布する。本種は南西諸島に分布し、南西諸島の一つである奄美の名がついたものと思われる。ハギはマメ科ハギ属の小低木の総称で本種とは遠いが、本種の葉がハギの葉に似ていることから付く。なお、ヒトツバという名の植物もあるが、それはウラボシ科の常緑シダ。方言名はカナキの他、イツニンキともある。
 海岸の隆起サンゴ礁石灰岩上に多く見られる。幹は直立して高さ1〜2mになるが、分枝が多く全体の形は灌木状となる。
 花は小さく葉脇に集まってつく、緑色で目立たない。開花期は春から初夏。果実は径4ミリほどの球形で葉脇に多くつく。幹と根は薬用となる。
 ちなみに学名、
 アマミヒトツバハギ Securinega suffruticosa var. amamiensis
 ヒトツバハギ Securinega suffruticosa var. japonica

 花
 記:島乃ガジ丸 2013.1.1  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
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