アカリファ
 ウチナーグチ(沖縄口)ではアキシャマヨー、ハッサミヨーのように語尾につくヨーは感嘆を表し、また、「デージヱーキンチュヤンディドー アヌイキガ ガヨー」は「とても金持ちらしいよ、あの男、がよ」と訳されるが、この場合の「ヨー」は和語同様に強調の意味で使われる。「よ」で終わるより「ヨー」と伸ばした方が強調が強い。
 「ウリガヨー 瓜ヤンドー」(これこそが瓜だよ)、「ワンガヨー、イン(犬)ヤンドー」(俺こそが犬だよ)なども同じく強調の意味の「ヨー」である。そういった「ヨー」の使い方に慣れている私は、アカリファの方言名を見て、困惑した。ファーヨーと言う。ファーはおそらく葉のこと。その後の「ヨー」が不明。
 「なんと葉っぱでしたか!」、「葉っぱかよー!」、「これが葉の中の葉だ!」などと考えられるが、きっとどれも違うであろう。正確なところは不明。

 アカリファ(明葉):添景・生垣・鉢物
 トウダイグサ科の常緑低木 原産分布は熱帯亜熱帯各地 方言名:ファーヨー
 アカリファは属名。『沖縄園芸植物大図鑑』に明葉という字があてられていた。多くの品種があるが、公園や街路樹でよく見かけるものは以下の2種。


 ニシキアカリファ(錦明葉):添景・生垣
 基本種であるAcalypha Wilkesiana mvell Argからの園芸品種ということで、本種の学名はAcalypha Wilkesiana Mueller-Aargau cv.'Musaica'。
 高さは3mほど。大きく波打った葉を密につけるので、良く手入れをすればこんもりとした形になる。ただし、成長が速く、放っておくと樹形は乱れやすい。また、強風に弱く台風の被害も受けやすい。陽光地を好む。花は特に目立たない。開花期は4〜6月。

 花


 キフクリンアカリファ(黄覆輪明葉):添景・生垣
 学名はAcalypha godseffiana Masters。
 高さは2mほど。ニシキアカリファと同じく、葉は波打ち密につく。その他の性質も同じで、陽光地を好み成長は速い。枝が細く柔らかいので強風に弱い。樹形が乱れやすい。よく管理されたものは、緑量が多く、こんもりと茂って美しい。

 花
 なお、ベニヒモノキもアカリファ属だが、どの文献にも別途で紹介されてあるので、ここでも別扱いとする。
 記:島乃ガジ丸 2006.7.12  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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