サザンカ
 垣根の 垣根の 曲がり角
 焚き火だ 焚き火だ 落ち葉焚き
と始まる歌の、2番か3番に
 さざんか さざんか 咲いた道
という歌詞が出てきた。ので、私は子供の頃からサザンカという名前は知っている。しかしながら、実家の庭にサザンカは無く、近所のオジサンや学校の先生に「これがサザンカだよ」なんて教えてくれる人もいなかったので、私はずっとサザンカを知らずにいた。

 学生の頃、吉祥寺だったか何処だったか場所は忘れたが、「山茶花」という名前の喫茶店があった。私はその読み方を知らなかった。「やまちゃばな」なのか「さんちゃか」なのか、あるいはまた別の読み方があるのか。一応、日本文学科に所属していたので、そのプライドがちょっとはあったので、人には訊けなかった。
 それから少し経って、「山茶花」を「やまちゃばな」と読むバカな大学生がいる、といった内容の漫画に偶然出会って、「山茶花」が「さざんか」であることを私は知ったのであった。そして、「山茶花」を「さざんか」と読めない大学生はバカなのであることも、その時に知った。実物のサザンカを知るのは、ずっと後になってからである。

 サザンカ(山茶花):添景・生垣
 ツバキ科の常緑中木 四国、九州の暖地、南西諸島に分布 方言名:アンダカタシ
 茶の木と同じツバキ科のツバキ(Camellia)属。山に生える茶の木と似た花が咲くという意味から山茶花とついたものと思われるが、確証は無い。日本原産の植物のようで、学名にもCamellia sasanquaとあった。
 広辞苑に「高さ約3メートル」、『沖縄植物野外活用図鑑』に「高さ3〜5m」、『沖縄園芸百科』に「高さ8m」とあった。どちらが正しいのか知らないが、おそらく、本土に自生するものより沖縄のものは生育がいいのだろう。私が見たものは5メートルほど。
 花色は白、淡紅、濃紅にそれぞれ八重咲、一重咲など園芸品種が多くあるが、山地に自生するものは白の一重咲き。種子は大きく、油が採れる。
 記:島乃ガジ丸 2006.4.10  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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