オウゴチョウ
 「王様は裸で大寒小寒を歌う。高利貸しは氷菓子を食う。農学者は直方で工夫と珈琲を飲む。放蕩息子は頬を十打たれた。父さんは道を通さん。」
 上記の文、何かというと、「オウ様は裸でオオ寒小寒を歌う。コウ利貸しはコオり菓子を食う。ノウ学者はノオ方でコウ夫とコオ琲を飲む。ホウトウ息子はホオをトオ打たれた。トウさんは道をトオさん。」というように漢字の母音の読みが、オウ(OU)なのかオオ(OO)なのかの確認。私もパソコンで文字を打つ時、たまに間違える。

 オウゴチョウは沖縄の三大名花と言われるくらい有名で、私もだいぶ前からその存在を知っているが、ずっとオウゴチョウという名で覚えていた。もう十年以上も前のことで何の本だったかも忘れたが、漢字で黄胡蝶と書かれてあるのを見ていたからだ。黄はオオでは無くオウと読む。だからオウゴチョウ。ところが、私が参考にしている文献のほとんどはオオゴチョウと表記している。それらの著者がみな、オウ(OU)をオオ(OO)と読み間違えているのだろうかと思ったのであった。「オオ様はオウ坂にいる。トオさんはトウさん。」のような間違いであろうと思ったのであった。
 『沖縄園芸植物大図鑑』には名前の漢字表記もあって、それは大胡蝶となっている。大ならばオオが正しい。したがって、オウゴチョウはオオゴチョウが正しい。・・・のではあるが、ガジ丸はあえて、オウゴチョウとした。
 オウゴチョウは高さ3mほどにしかならない。花も大きいとは言えない。よって、大とつく理由は無い。オウゴチョウの花は橙色である。橙色は赤と黄が半分ずつ混ざった色なので半分黄色と言える。よって黄胡蝶で良し。この字の方が見た目もいい。
 参考文献の中ではただ一つ『新緑化樹木のしおり』がオウゴチョウと表記してある。

 オウゴチョウ(黄胡蝶):添景・花木
 マメ科の落葉中木 原産分布は西インド諸島 方言名:アコウテ、オーゴチョー
 高木のデイゴ、低木のサンダンカ、そして中木のこのオウゴチョウが沖縄の三大名花とされているらしい。が、その実感は、私には薄い。民家の庭や公園、街路樹にデイゴとサンダンカは多いが、オウゴチョウは少ないからだ。暴れ木で樹形が整わないからか、虫(蝶の幼虫)がつきやすいからかは不明であるが、職場に無く、親戚の庭にも無い。でも、花がきれいだということについては、いささかの異存も無い。花色は、沖縄では橙色が多いと思われるが、黄色もあるようだ。開花期は6月から11月。
 陽光地を好み、日が良く当たれば花付きも良い。高さは2〜3メートルになる。和名のコチョウは花の形が蝶(胡蝶は蝶の異称)のように見えるから。オウは黄としているが、上記の通り、オオ(大)かもしれない。その場合、名前はオオゴチョウとなる。

 花
 記:島乃ガジ丸 2005.10.9  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
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