モモイロノウゼン
 職場に近い所に農協があり、そこの購買部で野菜の苗や種、腐葉土、肥料などを私は買っている。買うものの量が少なくて、重たい荷物にならない場合には、散歩を兼ねて私は歩いてそこへ行く。そう遠くは無い。往復30分ほどの散歩。
 アパートから小学校を突っ切っていくが、昨今、学校での部外者による事件が増えたせいで、学校の門前には「部外者の立入を禁ず」などと書かれた看板が立っている。その意味するところをきちんと理解できる私ではあるが、学校内に立入りするのに何の躊躇もしない。部外者の意味を勝手に解釈し、私は部外者では無い、ということにしている。
 私は、その小学校の近所、学校の裏門から直線距離にすると30m以内の場所に住んでいる。自分で言うが、私は善良な市民である。悪いこともできないわけではないが、世界の平和と我が身の幸福を願っているので、バカなことはしない方が得策だと思っている。そんな善良な私は、小学校から見れば気のいい近所のオジサンである。子供が何か危険に晒されたときに、「助けてー」と頼まれれば、「よっしゃ!」と駆けつけることもできるオジサンなのだ。学校の安全のためにも、こんなオジサンをどんどん利用するといい。オジサンは、それが自分にできることであれば、利用される準備はできている。学校のために役に立つのである。よって、オジサンは部外者では無い、ということになる。

 部外者でないオジサンは、先日もまた堂々と小学校の北門から入り、校舎の裏を通り、幼稚園の前から西門へ抜けて、散歩ついでの買物へ出掛けた。幼稚園のちょっと手前にモモイロノウゼンの木がある。花が咲いていたので写真を撮る。撮った写真をガジ丸HPに載せる。それまで、その花がモモイロノウゼンであることを全く疑っていない。
 この月曜日(11日)に、職場でガジ丸HPを見る機会があって、たまたまその写真を見た。タイトルがモモイロノウゼンとある写真2枚は、フイリソシンカであった。フイリソシンカはマメ科、モモイロノウゼンはノウゼンカズラ科。花の形も葉の形も全然違う。モモイロノウゼンの花は、この小学校を通るときに何度も見ているし、アサガオのような形であることもよく知っている。なのに間違えた。調べると、モモイロノウゼンの開花期は6月から8月とあった。何で間違えたのか不思議。二日酔いのせい、にしておこう。

 モモイロノウゼン(桃色凌霄):公園・花木
 ノウゼンカズラ科の常緑高木。原産分布は中南米。方言名:無し
 名前の由来、資料は無いが、ノウゼンカズラ科の植物で、花色が桃色なのでモモイロノウゼンという名。別名をタベブイアと言うが、これは属名から。
 イッペーやコガネノウゼン、ピンクテコマ、キンレイジュなど他のタベブイア属の植物同様、アサガオ状の花をつける。モモイロノウゼンはその名の通り桃色花。いっぺんに数多く咲くことはないので、さほど目立ちはしない。開花期は6月から8月。
 ピンクテコマと見た目がよく似ている。本種は葉がやや革質で先端部が尖る。ピンクテコマは葉が革質で先端が鈍形。どちらもエルサルバドルの国花。
 高さ10mに達するが、自然樹形が整っているので庭木としても使われる。英語名はキューバのピンクのトランペットの木、Cuban pink trumpet tree。
 陽光を好み、成長が早い。直立し、自然に美しい樹形となる。強風に弱いので、風の強い場所への植栽は避ける。ちなみに学名は、
 モモイロノウゼン Tabebuia pallida indl Miers
 ピンクテコマ Tabebuia rosea(Bertol)
 2009.7.3訂正加筆 2011.10.26再訂正

 花

 実
 記:島乃ガジ丸 2005.4.13  ガジ丸ホーム 沖縄の草木
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
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