ケダマンのダイドッカン
 昨日は旧正月だった。ウフオバーの伝統的ウチナー正月クヮッチー(ご馳走)を目当てにたくさんの人が、昼から入れ替わり立ち代りしてユクレー屋にやってきた。
 いつもなら金曜日の夜か、土曜日にしかやってこないジラースーもこの日は早くから顔を見せて、村の人たちの多くと挨拶を交わしていた。
 夜になるといつものメンバーが集まった。村から勝さん、新さん、太郎さん、マミナ、マジムンの側からは博士、ガジ丸、ゑんちゅ、ジラースー(人間)、モク魔王。元々は猫同士なんだが、犬猿の仲であるガジ丸とモク魔王は離れて座った。穏便であった。
 飲んで、唄って、食べて、踊って、飲んだ。村の人たちから差し入れされた日本酒が多くあって、それを俺はたらふく飲んだ。クヮッチーもたらふく食った。お腹が破裂しそうになっていた。で、外に出て、庭の木の枝に体を横たえて、ちょっと休んでいた。
 しばらくして、ジラースーが出て行くのが見えた。さらに少し経って、マナが出て行った。俺のお腹は大ドッカン状態だったが、俺の頭の第六感が働いた。
 「あいつら、何か怪しい。」と。
   −−−旧正月のユクレー屋の情景−−−
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