週刊089 不器用な平和
 先週に引き続いてモク魔王がユクレー屋に顔を出した。
 「よー、しばらくはこの島にいるのか?」
 「もうすぐ正月だろ?久々にウフオバーの正月クヮッチーを食べたいと思ってな。」
 「正月って、あっ、そうか、旧正月だ。」(マナ)
 「そうだ。オバーの料理は全部美味いんだが、中でもサーターリンガクは絶品だ。」
 「サーターリンガクって田芋を甘く煮たものだよね。酒飲みで、甘党なんだね。」
 「まあな。あれを食うと、つくづく幸せを感じるよ。」
 「幸せってよ、人類を不幸に陥れている奴がよく言うよ。」(俺)
 「あっそうだ、このあいだ『俺は地球を守っている。ガジ丸は人類を守っている』って言ってたけど、あれどういう意味なの?同じことじゃないの?」
 「モク魔王はよ、地球にとって人類は癌だという考えだ。で、人類が滅びるようにいろいろ画策してるんだ。だから、この世に争いが絶えないのさ。」(俺)
 「それは正確では無い。俺は争いたがる人間の手助けをしているだけだ。争いが絶えないのは人類がバカだからだ。平和そのものが元々不器用にできているのにさ。」
 −−−先週に続いてモク魔王とユクレー屋での会話−−−
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