魔王も辛いよ
 久しぶりにモク魔王がやってきた。
 「よー、奥様にこき使われてヨーロッパじゃなかったのか?」
 「おー、奥様にこき使われてクリスマスはパリ、正月はニースだった。」
 「尻に敷かれる魔王なんだね、いらっしゃい。」
 「やーマナ、ビールくれ、たっぷりと。」
 「あいよ。でも、いいなあ、パリとかニースとか。行ってみたいなあ。」
 「そりゃあ、俺みたいな下僕がいると楽しいと思うぜ。下僕は辛いがな。」モク魔王は出された大ジョッキのビールをゴクゴクと一息で飲み干し、
 「旨い!マナ、お代わり。これがあるから辛さにも耐えられるってもんだ。」
 「辛さに耐えるたって、そうしょっちゅうじゃ無いんだろ?」
 「あー、ウチの奥様は優しいからな、年に数回、足して一ヶ月くらいかな。」
 「んじゃあ、普段は何してるの?」
 「えっ!知らなかったか?日夜、俺が地球を守るために働いていることを。大変な仕事なんだぜ。人類を守るためにと邪魔するバカがいるからな。ガジ丸のことだが。」
   −−−2ヶ月ぶりのモク魔王とユクレー屋での会話−−−
語り:ケダマン 2008.1.25  次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島
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