マナの沖縄料理 マナが台所でガサガサやっている。今日は昼飯後からずっとだ。 「マナ、何やってんだ?」と声をかける。 「勉強してるんだよ。料理の。」 「勉強?お世辞言うわけじゃないが、おめぇの料理、まあまあの線いってるぞ。」 「それはアリガト。まあまあっていうのがちょっと微妙だけどね。沖縄料理を勉強してるんだよ。今度の正月の御節は私が作ろうと思ってね。」 「ほう、それは殊勝な心掛けだが、ウフオバーはいないのか?」 「今、村に行ってるよ。マミナ先生に頼まれて、子供達とのお話会なんだって。それよりもさ、ケダ、これ食べてみて。」とマナが皿を寄こした。天麩羅だ。 「おー、アリガトよ。じゃあ、遠慮なく。」と俺は皿の天麩羅を一つ手で摘まんで口に入れた。しかし、その天麩羅は不味かった。油がギトギトついていた。 「うっ、何だこれ、悪いが、食えたものじゃないぞ。ずいぶん油っこいぞ。」 「へっ、へっ、へっ、じつはそれ、失敗作なんだ。」と悪戯っぽく笑う。その後、ゑんちゅ小僧にも試食させた。というわけで、この話はゑんちゅ小僧の瓦版に続く。 −−−ある日のユクレー屋の情景−−− |
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