寝足りない季節 週末の夕方、いつものようにゑんちゅ小僧がユクレー屋に来る。ニコニコしている。体調良好って顔だが、俺もこのところ絶好調だ。 「いやー、良い季節になったな。春眠暁を覚えずって中国の言葉があったが、この南の島では、今のこの季節がまさに『暁を覚えず』だな。」(俺) 「そうだね。いくらでも寝ていられそうだよね。」(ゑん) 「そう言えば、シバイサー博士もこのあいだ、『寝足りん節』ってのを歌っていたな。『ニティンニララン、ニティンニララン』とかだったな、確か。」(俺) 「でも、それってさ、あんたたちが言っている『暁を覚えず』とは意味が違うでしょ。気持ちの良い季節の眠りを歌っているんじゃないでしょ。」(マナ) 「そうだね、ニティンニラランは寝ても寝られないということだからね。」(ゑん) 「いつもニーブイ(眠気がさしている状態)している博士がか、何でだ?」(俺) 「地球温暖化とか、戦争が無くならないとかを心配してかなあ。」(マナ) 「それは無いよ。寝てもすぐに起こされるんだよ、ゴリコに。たぶんね。」(ゑん) −−−ある日のユクレー屋の情景−−− |
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