ガジ丸の肴 「あんたたちさあ、別に食べなくても生きていけるんでしょ?」とマミナが訊く。あんたたちとは、俺とゑんちゅとガジ丸の三人だ。雁首揃えてカウンターに座っている。 「何かさあ、勿体無いような気がするわけよ。無駄な食事が。」 「無駄かなあ、俺たちが食うのは。」と俺が言い返せないでいると、 「俺たちは確かに食わなくても生きていけるが、俺たちは食うことを楽しんでいる。そして、楽しむことが俺たちの生きるエネルギーになる。だから、食うことは無駄ってわけじゃない。」と、ガジ丸が応えてくれた。 「えっ?ガジ丸はさ、そんなに食わないじゃないか。」と、ゑんちゅ小僧がガジ丸を見て、腑に落ちないような顔をして、言う。 「俺は、元々小食なんだ。謙虚だからな、楽しみも少しでいいんだ。」 と、そこへ、ウフオバーが顔を出す。 「ハイハイ、ガジ丸はこんなもので幸せになるんだよ。」と言ってシマラッキョウのキムチを出した。ちょっとしかないが、ガジ丸はこれで一晩持つとのこと。 −−−ある日のユクレー屋の情景−−− →写真(シマラッキョウキムチ) |
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