酒豪マミナ
 明日から二学期が始まるということで、ユーナは今日の午後、ユクレー島を離れた。背中にユーナを乗せて、ジラースーの家まで送って、夕方、俺はユクレー屋に戻った。
 ユーナがいなくなって、マナが傷心旅行中で、ユクレー屋はウフオバー一人となってしまっている。・・・と、ちょっと心配していたんだが、ユクレー屋のドアを開けると、カウンターの向こうにマミナがいた。マミナは島の子供たちの勉強をみている元教師。ウフオバーやガジ丸たちとも古い付き合いで、島の人々からの信頼も厚いオバサンだ。
 「よー、マミナ先生、何してるんだ?」
 「見ての通り。マナの代役。」
 「代役って、先生が飲み屋のママになるってか?」
 「似合ってるでしょ。こういうのも得意なんだよ。」
 「そりゃあ似合ってるし、得意だろうさ。俺が心配なのはだ、酒豪のお前がそこにいたら、店の酒が足りなくなるんじゃないかってこった。」
   −−−ある日のユクレー屋の情景−−−
語り:ケダマン 2007.8.31  次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島
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