引退撤回 夏休みでユーナが帰ってきた。「ユクレー島が大好き」って言っていたはずなのに、夏休みも残り2週間となってからやっと帰ってきた。一般社会の生活に馴染んで、友達もたくさんできて、普通の高校生として楽しんでいたのだろう。 「オバー、オバー、」とユクレー家に入るなり大声で叫ぶ。 「何ねぇユーナ、そんな大声出さなくても聞こえるよー。」 「オバー」と声を上げながらユーナはオバーに抱きついた。 「あっさみよー、何ねぇあんたは、子供みたいさあ。」 「何言ってるぅ、私は子供さあ。オバーの子供さあ、孫さあ。オバーが引退するかもしれないってジラースーから聞いて、びっくりして、慌てて、急いで来たんだよー。」 「あい、そうねぇ、心配させたねぇ。でもねぇ、オバーは、しばらくは引退しないことにしたさあ。それにしても、ちょうどいいところに来たねぇ、店、手伝ってねぇ。」 「あれ、そういえば、マナは?」 「ちょっと出かけるって言ったまま帰って来ないさあ。大丈夫かね、あの子。」 −−−夏休みでユーナが帰ってきた日のユクレー屋の情景−−− |
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