引退撤回
 夏休みでユーナが帰ってきた。「ユクレー島が大好き」って言っていたはずなのに、夏休みも残り2週間となってからやっと帰ってきた。一般社会の生活に馴染んで、友達もたくさんできて、普通の高校生として楽しんでいたのだろう。
 「オバー、オバー、」とユクレー家に入るなり大声で叫ぶ。
 「何ねぇユーナ、そんな大声出さなくても聞こえるよー。」
 「オバー」と声を上げながらユーナはオバーに抱きついた。
 「あっさみよー、何ねぇあんたは、子供みたいさあ。」
 「何言ってるぅ、私は子供さあ。オバーの子供さあ、孫さあ。オバーが引退するかもしれないってジラースーから聞いて、びっくりして、慌てて、急いで来たんだよー。」
 「あい、そうねぇ、心配させたねぇ。でもねぇ、オバーは、しばらくは引退しないことにしたさあ。それにしても、ちょうどいいところに来たねぇ、店、手伝ってねぇ。」
 「あれ、そういえば、マナは?」
 「ちょっと出かけるって言ったまま帰って来ないさあ。大丈夫かね、あの子。」
   −−−夏休みでユーナが帰ってきた日のユクレー屋の情景−−−
語り:ケダマン 2007.8.17  次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島
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