弾き語りの店 週末、ガジ丸に呼ばれた。ゑんちゅ小僧も一緒。ジラースーの船の積荷に、今回は大きなものがあるらしく、それを運ぶのを手伝って欲しいとのことだった。 大きな荷物はピアノ。ピアノはユクレー屋に運ばれた。マナの注文とのこと。 「マナ、おめぇ、ピアノ弾けるのか?」 「うん、子供の頃習っていただけ。飲み屋で働いている時、弾き語りのマネみたいのもやってたよ。ヘタだったけどね。」 「ほう、じゃあ、今日からユクレー屋を弾き語りの店にするってか。」 「うん、まあ、そういうこと。ちょっと弾いてみるね。」と言って、マナはピアノを弾いた。曲はジャズスタンダードのサマータイム。弾いて、歌い始めた。歌はともかく、ピアノは、お世辞にも上手とは言えなかった。 そんなマナの演奏を聴きながら、ウフオバーはニコニコと笑っていた。オバーは俺やガジ丸に聞こえるように、 「私ももう潮時だねぇ。後は安心してマナに任せられるねぇ。」と言った。 −−−ある日のマナとの会話−−− |
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