桃田マナ挨拶 「よう、ユーナ、さっき聞いたぜ。やっと決心したんだってな。」 「うん、まあ、いちおうね。」 「そうか、そりゃあちっと淋しくなるな。」 などと話をしていたら、客が入ってきた。ついこの間会った女だ。確か、桃田マナという名前。 「こんにちは。先日はどーもね。」 「やー、来たかお姉ちゃん、待っていたぜ。でも、飲むにはまだ、ちょっと陽が高いな。」 「もちろん、夕方になったら飲むけどさ。今日から出勤だからね。」 「出勤って?・・・あー、ユーナの代わりってか。」 「こっちに来るのは今日が2度目だよ。前来た時はあんたたち二人ともいなかったけどね。ユーナがユクレー屋にいるって言ってたでしょ。ユーナがいるくらいなら居心地良いんだろうなと思ってさ、来てみたらさ、ウフオバーが優しくてさ、ここにいようかなって思ったのさ。で、ユーナが島を離れるって聞いて、ここで働くことにしたのさ。」 ということであった。台所で旧正月の準備していたウフオバーが顔を出して、マナの顔を見て、手招きする。 「この人に、店の仕事の話をするから。」とオバーは言い、二人で母屋の方へ向かった。ユクレー屋に色気がやってきたようだ。 −−−桃田マナがユクレー屋に挨拶に来た日の会話−−− |
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