右腕の右腕機 ある日、シバイサー博士の研究所へ行ったら、ガジ丸が珍しくパソコンをやっていた。変なヘルメットをかぶっている。機械みたいである。 「ガジ丸、そのヘルメットみたいなもの、何なんだ?博士の発明か?」 「あー、右腕の手助けをしてくれる右腕が欲しいと頼んだら、作ってくれた。」 「3本目の腕ということか?2本だけでは足りないということか?」 「両手でキーボードを叩いて文字を打つだろ、その時マウスを操作するもう1本、別の腕が欲しいのさ。もう1本あれば、煙草吸えるし、酒飲めるというもんだ。」 「ほう、で、その機械、ガジ丸が思っているような働きはするの?」 「うーん、煙草吸ったり、酒飲んだりはできるんだがな。どうも、ダメだな。」 「何がダメなんだ?」 「この機械、名前を『右腕の右腕機』というんだが、マウス操作で動くようになっている。つまり、右腕の右腕になるには、右腕の力が必要となっているんだ。」 「ふーん、じゃあ、あんまし役に立たないってわけか。」 「忙しく働くって概念が博士には無いんだな。3本目の腕の必要性を理解できなかったんだろうな。まあ、この機械、失敗作だな。博士の発明には入れない方がいいな。」 −−−ある日のガジ丸との会話−−− |
語り:ケダマン 2007.2.2 次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島 |