役に立つケダマン
 年末慌しいのはユクレー屋も同じなのか、今日は朝からわさわさしている。ウフオバーとユーナが二人で何やら忙しくしている。
 「オバー、この店も年末大掃除みたいなことをやっているのか?」
 「あんたは久しぶりだから忘れたみたいだねー。30日は大掃除さあ。そんなところでボケーっとしてないで手伝いなさい。」
 「そんな面倒な。俺は散歩してくるよ。」
 「このケダバカ!ちょっと待て!」とユーナが怒鳴って、俺の毛を掴む。
 「オバー、洗濯機で難儀した分、掃除はケダマンにたくさんさせようよ。」
 「あーそうだねえ。ケダマン、あんた、自分の体の掃除もまだ終わってなかったよねー。だったら、あんたも一緒に掃除してあげるさー。」とオバーは言って、俺の体に長い棒を取り付けた。
 「ユーナ、ケダマンに洗剤付けて、それで壁や床を拭いたらいいさあ。」とオバーが言う。そして、その通りに、ユーナが俺をモップ代わりにする。くすぐったくて死にそうだった。
   −−−ある日のユーナ、オバーとの会話−−−
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