せんたくでーす 「バカッ!何してるの?」と突然ユーナが怒鳴る。 「何してるって?見りゃあ判るだろ?」 「見りゃあ判るって、洗濯機の中に入って、ボケーっと空を見上げているバカを見たって、それが何しているかなんて解らないよ!」 「洗濯機の中に入って、ボケーっと空を見上げているんだよ。」 「こ、殺す。」と言って、ユーナは俺の髪を掴み、前後に揺さぶる。 「わかった、わかった、手を離せ!髪が抜ける。ホントのこと言うよ。洗濯してるんだ。」 「せんたく?」とユーナは言って、手を緩める。 「洗濯ってこと?・・・洗濯機の中に体を突っ込んで何を洗濯してるのさ?」 「俺の体を洗濯してるのさ。この毛は服みたいなもんだからな。一年分の大洗濯だ。」 「一年分の洗濯って、一年に一回しか洗わないの?汚ないなあ。でもさ、洗濯機回ってないよ。」 「あー、スイッチ入れたら、しばらくして、変な音がして、止まりやがったんだ。」 「止まりやがったって、あー、洗濯機、壊れてるんじゃない。どーすんのよ!バカッ!」 ―――さんたくろーすがもうすぐやてくる日のユーナとの会話――― |
語り:ケダマン 2006.12.22 次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島 |