夢観るユーナ 夕方、店の中へ入って、カウンターに座る。いつもなら目の前にいるユーナがいない。 「ユーナ、ビール。」と声をかけると、調理場のほうからゴソゴソ出てきて、 「うー、今日はその顔、見たくなかったんだけど。」 「何のこっちゃい!この顔がどうかしたか?」 「気持ち悪い夢、見てしまったさあ。」 「何だ!俺の顔が気持ち悪いってか?」 「昨日、『おめぇも恋する年頃だろう。そろそろ普通の世界に戻ったらどうだ。ガジ丸が大好きだからって、あいつとは結婚でき無ぇぞ』って言ったでしょう。恋かぁなんて考えていたら変な夢を見てしまったのさ。」 「変って、ガジ丸と結婚している夢でも見たか?」 「ガジ丸じゃないよ。ケダマンが出てきたんだよ。その毛むくじゃらを脱いだ裸の格好で出てきたんだよ。ムキムキの筋肉マンだったさあ。ウー、気持ち悪っ!」 「何言ってやがる。俺だってオメェとなんか結婚してやらねぇぞ!」 「こっちだってお断りよ!ばーかっ!」 ―――ある日のユーナとの会話――― |
語り:ケダマン 2006.10.27 次のケダマン 前のケダマン 最初のケダマン ユクレー島 |